トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(群馬)
2013/10/25

【群馬】県渋川工水、浄水施設更新に着手

 県企業局渋川工業用水道事務所は、本年度から浄水施設の更新事業をスタートした。初年度として基本設計をプロポで委託しており、来年度に詳細設計をまとめ、工事は3〜4年後から着手する。また浄水施設の工事開始後には、一級河川吾妻川渡河部を含む管路の更新事業も開始する。

 渋川市白井地内にある同事務所は、1965年から事業を開始した。一級河川利根川から取水し渋川市、前橋市、高崎市の7社8工場へ供水する。
 浄水処理能力は1日13万立方mとなり、利用率は約70%に達する。2010年度に浄水施設で実施した、耐震補強、施設更新、浄水処理能力の向上を図ることとなった。
 ことし8月に基本設計委託業者を簡易公募型プロポーザル方式で選定し、日本上下水道設計(東京都新宿区)を特定した。設備の能力検討や構造物・設備における更新診断、耐震補強・更新および浄水場移転設置の比較検討、更新基本設計などを実施する。来年度に予定する詳細設計業務も同社が引き続き担当する。
 設計対象は、着水井(8・3m×4・5m、深さ5m、容量186立方m×1池)、混和池(3・9m×3・9m、深さ3・5m、容量53立方m×2池、機械撹拌機懸垂型タービン翼を各1池に1基)、沈殿池(28m×23・4m、深さ5m、2220立方m×3池)、配水池1・2号池(23・5m×21m、深さ3・5m、有効容量1338立方m)、同3号池(42・8m×34・7m、深さ4m、有効容量5940立方m)、同4号池(38・8m×34・7m、深さ4m、有効容量5388立方m)、排水汚泥池(断面積47u、深さ4・25m、容量200立方m)のほか、薬品設備や注入タンク、濃縮槽、天日乾燥床など。沈殿池は高速凝集沈殿(スラッジ・ブランケット型脈動式)で、増水時の高濁度に対応できるように機能面の改善を予定する。完成までに10カ年程度を見込んでいる。
 敷地の北側には民間の工場が立ち、南側の農地も(仮称)渋川医療センターの建設予定地であることから周囲の用地を利用することは困難で、設計では現有敷地を可能な限り効果的に使用するよう要求する。敷地内も管路が張り巡らされており、配置や施工場所の確保は困難が予想される。
 浄水施設の工事開始後に送配水管路の更新事業にも着手する。老朽化した管の改修と複雑化した管の統合化が見込まれている。
 メーンは、国道17号鯉沢バイパスの吾妻新橋と市道落合橋の間を走る送水管の更新工事となりそう。65年の同施設供用開始に合わせて整備された送水管が、一級河川吾妻川の下に埋設されている。現在では新しい管を同様に河川下へ整備することは難しく、水管橋の架設を中心に検討する見通し。
 下流の送水管は主に国道17号下を走る。事業に先立ち、まずは老朽管の調査を実施する考えで、供水を中断せずに管路へ調査機器を潜行させる調査に向けて、検討を進めている。
 さらに大型工場が立地する渋川・中村地内で分岐した管路は当時の事情で複雑化しており、供水を継続しながら管理しやすいよう統合化を進める。