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福島建設工業新聞社
2013/10/25

【福島】来年夏に超大型浮体式洋上風力発電設置/審査会で準備書協議

 25年度第3回県環境影響評価審査会が24日、福島市のふくしま中町会館で開かれ、浮体式洋上超大型風力発電機設置実証事業の環境影響評価準備書を協議した。県は審査結果を踏まえた準備書に対する知事意見を11月末までに経済産業大臣に通知したい考え。
 同事業は、広野火力発電所冲約18`地点に浮体型式などタイプが異なる洋上風力発電設備3基と浮体式洋上サブステーションを設置して実証研究を行うことで、浮体式洋上風力発電技術を確立し世界初の浮体式洋上ウィンドファームの実現を図るもの。経済産業省の委託を受けて丸紅、東京大学、清水建設らによるコンソーシアムが実施する。
 第1期事業として2MWの風力発電設備(ふくしま未来)とサブステーション(ふくしま絆)、第2期事業で世界最大級となる7MW風力発電設備2基を設置する。2期事業が環境影響評価法に基づくアセス対象。自主アセスを行い先行着手した1期事業は海底ケーブル、特別高圧ライザーケーブルの敷設を含め工事が完了し、11月に発電を開始する予定。
 2期事業では「ふくしま未来」を挟み約1・6`間隔で「ジャパンマリンユナイテッド風力発電所(仮称)」と「三菱重工業風力発電所(同)」を整備する。両施設、海面からの高さは約185b、ローター径は165b(ブレードの長さ80b)。26年夏の海上設置を予定している。
 審査会では、事業者となる資源エネルギー庁と環境影響評価を担当する三菱商事、日本気象協会の担当者が準備書の概要を説明し、事前に委員から提出されていた質問に対して回答した。
 環境保全措置としては、工場製作した風力発電機を曳航することで事業実施区域付近では係留作業のみとし騒音の発生を抑制するほか、浮体抑留のアンカー・チェーン敷設等の海上作業は約3カ月間として可能な限り工期を短縮化。浚渫を伴わないROVによるケーブル埋設等で水の濁りなどを抑制する。
 周辺環境との調和を考慮して薄グレーとした発電機の色彩、航空障害灯に採用する白色閃光灯については、委員から鳥の衝突回避の観点からマーキング等措置を検討するよう求める意見が出された。