日本工業経済新聞社(群馬)
2013/10/08
【群馬】桐生市が施設整備基本方針を策定
桐生市は、建設から20年以上経過した市有施設のうち延べ床面積500u以上の全56施設の再整備に向けた基本方針を明らかにした。施設の安全性や機能性、利用性など5つの視点から調査し、評価点を付けており、特に点数が低かった市役所本庁舎や桐生スケートセンターなど計10施設を優先して再整備する。また、すでに移転改築することが決定している中央共同調理場を除く9施設について建て替えと長寿命化改修の両面で各担当部局で検討を行い、具体的な整備計画を作成して来年度以降の予算に反映させていく。
桐生市では、1960年から70年代を中心に市有施設の整備を進めたことで築20年以上のものが計300施設を超え、維持保全や管理に対して大きな財政負担が生じている。このため、2012年度から市の直営で調査を実施し、予防保全による長寿命化と総量の縮小を軸とした「市有施設整備基本方針」を策定。
調査の対象は、S造、RC造、SRC造の建物で、築20年以上が経過し、延べ床面積500uの計56施設。すでに耐震化に着手している市営住宅団地や耐震改修の終了している学校施設、改修方法が特殊なプラント施設は対象から除外している。1施設に複数棟ある場合も1施設とカウントしている。
調査では@安心性A機能性B重要性C利用性D経済性−の5つに分けてそれぞれ点数をつけ、最大100点で評価。特に評価点の低かった10施設については、建て替えと改修の両方の観点から具体的な整備計画を本年度から作成し、来年度以降の予算に反映させる。
評価点の低かった10施設は点数の低かったものから、42点の市役所本庁舎、49・2点の桐生スケートセンター、52・4点の中央公民館、52・6点の市民体育館、55・3点の斎場、55・8点の陸上競技場、、57・5点の市民プール、58・3点の消防署東分署、同点の北体育館、59点の中央共同調理場となっている。
それぞれの施設規模だが、市役所本庁舎は本館、議事堂、新庁舎の3棟に分かれており、本館は1965年築のRC造地上4階地下1階建て、延べ床面積6128u、議事堂は同年築のRC造3階建て、延べ床面積2051u、新館は81年築のRC造地上7階地下1階建て、延べ床面積8799u。桐生スケートセンターは、64年築のRC造2階建て、延べ床面積2477u。中央公民館は、79年築のRC造地上4階地下1階建て、延べ床面積5706u。市民体育館は、69年築のRC造地上2階地下1階建て、延べ床面積5349u。斎場は、本棟と待合棟に分かれており、本棟は82年築のRCおよびS造地上2階地下1階建て、延べ床面積3837u、待合棟は93年築のS造平屋建て、延べ床面積219u。陸上競技場は、63年築のRC造2階建て、延べ床面積1547u。消防署東分署は、68年築のRC造2階建て、延べ床面積588u。北体育館は、80年築のSRC造2階建て、延べ床面積2561u。中央共同調理場は、69年築のRC造およびS造3階建て、延べ床面積4009u。
このうち、現段階で中央共同調理場でのみ移転改築に向けて検討を進めており、規模を縮小して2015年度からの着工を目指している。