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建通新聞社(静岡)
2013/10/07

【静岡】県 浜松市沿岸域の防潮堤工事 地元業者への発注に努める

 静岡県議会9月定例会の一般質問が3日に行われ、阿部卓也氏(民主党・ふじのくに県議団)が浜松市沿岸域の防潮堤建設での地元建設業界の活用と建設用土などについて質問した。地元建設業界の活用に関して長島郁夫交通基盤部長は、「防潮堤工事は地元業者の協力なしには成しえない」とし、「品質確保における技術的課題を十分考慮した上で、県内業者への発注に努める」との意向を示した。
 浜松市沿岸域の防潮堤建設で県は、8月から試験施工に着手している。建設用土は、主に浜松市天竜区の阿蔵山からの土砂を使用するとし、土砂の搬出は浜松市が担当する。防潮堤に使うCSG材について長島部長は「現在の想定では200万立方b程度で、阿蔵山からの土砂で賄える見込みである」とした。実際の土量は、詳細設計や現地で発生する砂のCSGへの配合試験などで精査を進めている。
 地元建設業界の活用については、「全体事業費が約300億円に上り、元請け業者だけでなく雇用や資材の調達など地域への経済的波及効果は大きいことに加え、地域の状況を熟知した”よりきめ細かな施工”が期待できる」と答えた。一方で、CSG工法が製造段階でさまざまな品質管理を必要とするため、施工者の技術力と経験を重視していることを挙げた。その上で、長島部長は県内業者への発注に努める考えを示した。
 9月補正予算案で県は、企業などからの寄付金を積み立てた津波対策施設等整備基金を活用して2014年度以降に予定していた防潮堤整備の一部を前倒しして行うため、12億円を盛り込んでいる。補正による整備事業は、浜松篠原海岸での仮設道路、防潮堤、保安林伐採と飛砂対策工事などを予定している。
 また、7月までに受けた寄付金により、津波対策施設等整備事業(海岸)工事契約として新たに13年度〜16年度の債務負担行為(限度額95億円)を設定している。
(2013/10/7)

建通新聞社 静岡支社