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日本工業経済新聞社(群馬)
2013/10/04

【群馬】(国)利根砂防、年明けに群馬・長野で4工事

 国土交通省利根川水系砂防事務所は、浅間山火山砂防事業で進めている根固めブロックの現場製作工事について、引き続き群馬県側2工事と長野県側2工事の計4工事を年明けにも公告する。それぞれ3000個ほど製作する内容となり、施工場所の調整などを行っている。

 昨年度からスタートした浅間山火山砂防事業では火山噴火の際に発生する火砕流を防ぐため、群馬県側と長野県側の河川で恒久的な砂防堰堤や導流堤のほか、緊急時にブロックを運搬・設置する施設も計画しており両県で2万個ずつ製作し保管する。
 昨年度末に群馬県側で1工事(3600個)、長野県側で2工事(合計6400個)が発注されている。
 今回は根固めブロック(3t)約3000個を製作する工事を群馬県側と長野県側で2工事ずつ発注する。工期が来年度へまたぐことから繰り越し手続きを進めている。工事規模は1工事あたり1億5000万円から2億円くらいとなる見込みだ。
 群馬県側では嬬恋村鎌原地内を走る国道146号沿いの公有地、長野県側では佐久市御馬寄地内の主要地方道下仁田浅科線近くで用地を確保し、製作ヤードと据え付け場所としている。それぞれの現場に年明けに発注する2工事ずつの製作場所を取れるか調整しており、新たな製作場所での工事となる場合もある。
 根固めブロックは緊急時に搬出し堰堤を構成し火砕流などが生活圏内や交通機関に及ぶのを防ぐ。基本構想では緊急時用火山砂防施設の設置される河川は、群馬県側で片蓋川のほか、地蔵川、濁沢、東泉沢、長野県側では大窪沢川、千ヶ滝西沢、濁川、船ヶ沢川東を予定。早ければ来年度発注予定のブロック製作工事で2万個ずつの据え付けを完了する。
 浅間山火山砂防事業の本年度予算は13億1200万円となっている。監視・観測、地質調査、猛禽類調査のほか、群馬県の片蓋川・濁沢と長野県の蛇堀川への砂防施設の詳細設計を実施している。詳細設計は両河川とも日本工営(東京都千代田区)が担当しており、工事も前述3河川を先行させる。
 同事業は国内初の火山噴火緊急減災対策。2004、09年に小規模噴火を繰り返した浅間山に平常時設置型の基幹的堰堤工と緊急時設置型施設、監視・観測機器や情報通信網を整備し機動的に対応していくもの。15年間の事業期間で、総事業費には約250億円を見込んでいる。長野県側も事業範囲となることから昨年度に長野県側を担う浅間山出張所を佐久市役所浅科支所庁舎へ設置して対応している。