建通新聞社四国
2013/10/04
【高知】三里地区南防波堤、年度末に初弾工
国土交通省高知港湾・空港整備事務所は、高知港での地震津波防護対策として、最前線の防護ラインとなる高知新港防波堤の延伸や粘り強い構造への補強を推進する。このうち、初弾工事として早ければ2013年度末に三里地区南防波堤の粘り強い構造への補強工事の一部を公告する予定。工事内容は今後調整する。
南防波堤の延長は1000b。粘り強い構造への補強工法は、港内側の基礎捨石を嵩上げ、拡幅し、その上に被覆ブロックを敷き詰めることを検討している。これにより、津波による外力と越流により基礎捨石が洗掘され、ケーソンが動くのを防ぐ。被覆ブロックは既設のものを流用するか、既設より大きなブロックを製作し使用する可能性もある。ケーソンの港外側では、上部にパラペットを設置することも検討している。
このほか最前線の防護ラインとなる高知新港の防波堤は、東第一防波堤と桂浜防波堤が対象となる。東第一防波堤では、現計画の延長900bから200bの延伸を先行整備し、その後粘り強い構造への補強を進める。桂浜防波堤の延長は737bで、南防波堤と東第一防波堤の整備状況を見ながら粘り強い構造への補強に着手する。
これらの事業は、今後10年程度で約150億円をかけ進める予定。3防波堤の津波対策検討と東第一防波堤の基本設計は、それぞれニュージェック(高松市)が担当。
高知港での地震津波防護対策は、国交省四国地方整備局と高知県が連携し、高知新港の防波堤のほか、浦戸湾外縁部・湾口部の防波堤や防潮堤と浦戸湾内部護岸などの耐震補強などを進め、「三重防護」により被害を軽減する方針を出している。
国交省高知港湾・空港整備事務所では、高知港津波対策検討業務を沿岸技術研究センター(東京都千代田区)に委託。第一線防波堤の沈下対策、粘り強い構造化による湾口部での対策と護岸・堤防などの海岸保全施設を組み合わせた多重的な防護方式により総合的な津波対策の整備効果を分析し、浦戸湾外縁部・湾口部と浦戸湾内部護岸の整備区間や施設の配置計画などの基本計画案を策定する。
浦戸湾外縁部・湾口部の防潮堤では、嵩上げなどにより津波の浸入を抑制、浦戸湾内部護岸などでは、耐震補強などにより津波の侵入と長期浸水を防止する。今後、具体的な工法などについて、国と県が協議して決める方針。