北海道建設新聞社
2013/10/03
【北海道】白老海岸虎杖浜地区で浸食対策−室蘭建管が14年度採択目指す
室蘭建管は、白老海岸虎杖浜地区での海岸浸食対策を計画している。防護延長約2`を対象とし沖合に離岸堤9基の配置を想定し、総事業費に32億3000万円を試算。2014年度の新規採択を目指し準備を進める方針で、採択が認められれば離岸堤の断面形状などを調査設計で固め、構成するブロック製作から着手する。
白老町虎杖浜地区の海岸沿いには水産加工施設が多く立地し、家屋なども密集しているが、既存の海岸保全施設は消波工付き護岸と消波堤で、一部無堤区間もある。
昭和50年代後半から海岸浸食が進み、護岸前面には前浜がほとんど残っていない状態。低気圧や台風で荒れると、越波や飛沫(ひまつ)による被害が発生している。
特に02年11月の低気圧では床上浸水2戸、床下浸水6戸、04年8月の台風15号でも家屋破損があったほか、水産加工場背後の盛り土が洗掘され、越波による湿潤状態が繰り返されることに伴う外壁腐食も生じている。
このまま浸食が進むと海岸沿いの建物や、既存護岸が損壊を受ける恐れもある。今回の事業では、護岸後背地への浸水防止を目指すため、沖合に離岸堤を設置することで波浪の低減と砂浜の回復を図る。
対象区間は、11年度までに浸食対策が完了した白老海岸竹浦地区の離岸堤から西側へ、アヨロ川河口手前までの延長1967m。現況施設は護岸1767m、消波堤894mが設けられている。
対策として、離岸堤は消波ブロックを積む形態で、No.1からNo.9までの9基、延べ1547mを整備。竹浦側からNo.1―8で1基当たり延長約170mの堤を沖合140mに50m間隔で、延長約180mのNo.9は、約60m沖に設置する計画だ。
採択された場合、23年度の完了を目標に進ちょくを図りたいとしている。