トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日本工業経済新聞社(群馬)
2013/10/02

【群馬】台風18号で山地災害と林道被害が多数発生

 9月16日の台風18号で、山地災害と林道災害は計25カ所で、合わせた被害額が3億7660万円に上ることが県環境森林部への取材で分かった(26日現在)。山地災害は14か所で発生し、被害額は3億4200万円を試算。他方、林道災害は10路線の11か所で発生し、被害額は3460万円。山地災害のうち現段階のところ、4か所を本年度に県単事業費で、残る10か所に関しては県単事業費と林野庁からの補助で来年度にそれぞれ対応する考え。林道災害への対応は市町村が行うこととなる。

 本県を来襲した台風18号は、県内各地で被害をもたらし、治山事業を所管する県森林保全課によると、今回の台風によって山地災害は14か所で発生。その被害額は3億4200万円に上るという。
 山地被害の箇所は◇渋川市祖母島下里地内◇高崎市吉井町上奥平小根地内◇同市箕郷町松ノ沢絵図見地内◇上野村楢原黒川1◇同村楢原黒川2◇同村楢原黒川3◇下仁田町西野牧田ノ畑地内◇南牧村星尾棒ヲ子地内◇同村桧沢大森地内◇嬬恋村大笹不動南木地内◇同村大前上神前地内◇東吾妻町本宿西沢地内◇沼田市利根町大原山口地内◇桐生市黒保根町下田沢西ノ畑地内−で、被害面積は約2・23haとなっている。
 下里地内では、既設流路工の法面緑化部が崩壊。被害額は600万円で、本年度当初予算に計上した治山災害関連事業費で対応する予定。小根地内では山腹が崩壊し、下方休耕地へ土砂が流出した。被害額は800万円で、治山災害関連事業費で年度内に対応する計画。絵図見地内では既設コンクリート吹き付け下部の緑化箇所が崩壊し、県道へ土砂が流出した。被害額は400万円で、本年度に治山災害関連事業費で対応する。黒川1では渓岸浸食が発生。被害額は1500万円を試算しており、来年度に林野庁の補助を活用した公共治山で復旧工事を進める。黒川2では山腹崩壊が発生した。被害額は500万円で、来年度に県単事業費で工事に着手する考え。黒川3では山腹崩壊が生じ、下部の林道や渓流が閉塞した。被害額は5000万円で、来年度の公共治山で対応する予定。田ノ畑地内では渓岸浸食が発生。被害額は3000万円で、来年度の公共治山で工事を進める計画。棒ヲ子地内では渓岸浸食が発生。被害額は900万円で、来年度に県単事業費で復旧工事に着手する。大森地内では山腹崩壊が生じ、土砂が流出した。被害額は500万円で、来年度の県単事業費で着工する見通し。不動南木地内では既設の吹き付けの一部が破損した。被害額は3000万円で、当初予算に計上した災害応急費でこれから応急対策を施す予定で、復旧工事は本年度に治山災害関連事業費を活用して進める計画。上神前地内では山腹崩壊が発生。被害額は5000万円で、災害応急費で応急対策を実施する予定。復旧工事については来年度の公共治山で対応する。西沢地内では渓岸浸食が生じ、下流の林道へ土砂が流出した。被害額は2000万円で、来年度に公共治山で復旧工事を進める予定。山口地内では山腹崩壊が生じ、その後流出した土砂が渓岸浸食をも発生させた。被害額は8000万円を試算しており、来年度に公共治山で対応する計画。西ノ畑地内では山腹崩壊が発生。被害額は3000万円で、来年度に公共治山で対応する。
 いずれの箇所とも、これから測量に入る予定で、林野庁の補助を受けて実施する公共治山については来年度の実施に向け、来年2月ころに協議へ入る計画だ。
 一方、林道では10路線の11か所が被災。被害額は3460万円を試算しており、いずれも市町村が復旧工事に取りかかる。
 工事の実施年度は市町村次第のため流動的だが、県林政課によると、11か所のうち長野原町を走る林道与喜屋赤宿線の法面崩落、東吾妻町の林道ユーシン線の路体決壊の2か所については、林野庁による災害査定を年内までに受ける予定。査定後、市町村から本年度内に復旧工事が発注される計画だ。
 林道災害は◇桜井沢線(神流町)◇下南室線(下仁田町)◇与喜屋赤宿線(長野原町)◇一倉線(高崎市)◇ユーシン線(東吾妻町)◇万騎線(東吾妻町)◇牛沢線(みどり市)◇日影平線(上野村)◇赤倉栗生線(沼田市)◇湯出入線(吉岡町)−の10路線で発生。このうち、牛沢線では2か所が被災した。桜井沢では路肩決壊がL10m発生。被害額は35万円。下南室線では土砂がL25mにわたり流出。すでに土砂は撤去済みで、復旧工事は行われないもよう。被害額は10万円程度。与喜屋赤宿線では法面崩落がL33m、SL10mにわたり発生。被害額は1000万円で、モルタル吹き付けからコンクリート吹き付け、または吹き付け法枠で対応する計画。一倉線ではL7mの路肩が決壊。被害額は30万円となっている。ユーシン線ではL25mの路体決壊が発生。被害額は2200万円で、土羽尻擁壁工と盛土工を実施するとともに、横断している暗渠の改修も行う計画。万騎線ではL16m、SL6mの法面崩落が発生。ただ、土砂の撤去は終了しており、改めて復旧工事は行わないようす。被害額は30万円。牛沢線ではL30mの法面崩落とL5・5mの路肩決壊が発生。被害額は65万円を試算している。日影平線ではL30m、SL3mの法面崩落が生じた。被害額は30万円を見込む。赤倉栗生線では路側擁壁の基礎がL16mにわたって露出。被害額は30万円。湯出入線では路肩決壊がL18m発生。被害額は30万円となっている。