日本工業経済新聞社(群馬)
2013/09/30
【群馬】県東部水道広域研究会が10年間の基本計画を策定
太田市、館林市、みどり市、板倉町、明和町、千代田町、大泉町、邑楽町の3市5町で構成する群馬県東部水道広域化研究会(太田市上下水道課が事務局)は、上水道事業統合に向けた2015年度から24年度までの10年間の実施計画を明らかにした。計画では、配水区域の再整備に係わる再構築事業費54億円、老朽化した施設、管路の更新事業費283億円、管路新設等事業費51億円、計388億円を試算した。国庫補助採択を目指している15年度からの事業着手を予定しており、配水区域などの再構築事業では、第一浄水場から第二浄水場への連絡設備の整備から着手する。
同計画は、7月にまとめた長期的な基本構想を基に、2015年度から24年度までの10年間の中期的な施設整備および財政計画の実施計画を策定するもので、事業統合により標高が高い位置の水源や施設を利用した行政区分を超えた配水や施設の統廃合による更新事業費の低減などの効果を見込んでいる、
施設整備計画は、@事業統合に伴う施設の再構築事業A老朽施設の更新事業B管路などの新設事業−に分けて策定した。再構築事業では、10年間の事業計画を示しており、計53億9800万円を試算している。
年次計画も示しており、15〜16年度に事業費4億4300万円で第二浄水場から第三浄水場への送水管(φ300o×L2875m、φ250o×5205m)と第二浄水場で増圧施設を新設する。
16年からは、◇20年度までの5カ年で9億2400万円を事業費として第一浄配水場から第二配水場への連絡管(φ300o×L4410m、国道横断1カ所、県道横断1カ所、河川横断1カ所)と第二浄配水場に増圧施設を◇19年度までの4カ年で、3億2900万円を事業費に第二浄配水場から上江黒浄配水場への配水管(φ200o×460m、河川横断1カ所)と増圧施設を◇18年度までの3カ年で事業費3億5200万円として第二浄配水場から第一(北)浄配水場配水区域への配水管(φ150o×1080m)と増圧施設をそれぞれ整備する。
17年度からは、20年度までの4カ年で事業費6億400万円をかけて第二浄配水場配水区域から第一・第三浄水場、第五浄水場配水区域への配水管(φ300o×L1960m、県道横断2カ所、用水路横断1カ所)と増圧施設の工事を実施する。
18年度からは、21年度までの4カ年で事業費5億3200万円を試算し中野浄水場から第三浄水場への送水管(φ300o×L2450m、軌道横断1カ所、河川横断1カ所)と第三浄水場への増圧施設を、19年度から20年度までの2カ年を期間として事業費7300万円で薮塚受水場から西長岡地区への配水管(φ100o×L960m、用水路横断1カ所)を整備する。
20年度からは◇23年度までの4カ年で3億6300万円を事業費として第三浄水場配水区域から大輪浄水場配水区域への配水管(φ200o×900m河川横断2カ所)と増圧施設を◇21年度までの2カ年で事業費1億5700万円をかけて新田受水場配水区域から尾島方面への配水管(φ200o×L1510m、国道横断1カ所)を新設する。
21年度からは◇24年度までの4カ年で鹿田山受水施設で受水池(200立方mを2池)と送水管(φ250o×L1160m)を事業費4億7600万円で◇金山配水場配水区域から中野浄水場への送水管(φ300o×L4700m、国道横断1カ所、県道横断3カ所、河川・用排水路横断3カ所)を事業費6億5400万円で実施する。
22年度からは薮塚低区配水池から強戸地区への配水管(φ300o×L4180m、県道横断1カ所)を事業費4億9100万円かけて新設する。
老朽施設の更新では、10カ年で事業費283億5000万円を試算した。各市町にある石綿セメント管や鋳鉄管、ポリエチレン管など耐震性などの問題から更新の対象となっている管路が計23万813mの更新事業費に209億9800万円、それ以外の電気や機械設備などの更新に73億5200万円を盛り込んだ。
管路などの新設事業では、10カ年の事業費に計50億9600万円を試算しており、そのうち管路の新設が48億9000万円、量水器などの設備が2億6000万円となっている。今後のスケジュールは、今月中に構成団体で水道事業統合基本協定を締結し、11月に研究会から協議会にスケールアップ、国庫補助の申請業務をはじめ、16年4月の統合企業団の設立を目指している。