建通新聞社
2013/09/27
【大阪】非鉄製橋梁まずは工事用道路に架設
NEXCO西日本と三井住友建設は、橋梁構造物(上部工)に腐食の可能性のある材料の代わりにさびない新素材を採用して、超高耐久橋梁「Dura−Bridge(デュラ・ブリッジ)」を開発した。NEXCO西日本では、2013年度末までに同橋梁に最適なプロポーション(径間の幅など)を固め、14年度にも工事用道路に架設。その後、車両を通行させて15年度末までに実際の挙動を検証し、本格的に導入していく。
工事用道路の架設場所については、プロポーション検討と並行して絞り込み、13年度末までに決めるとした。
Dura−Bridgeは、アラミドFRP(アラミド繊維強化プラスチック)ロッドと呼ばれる腐食しない新材料と、併せて開発した設計基準強度80N/平方_bの高強度繊維補強コンクリートを用いた非鉄製の箱桁橋。
腐食しない材料を緊張材として用いることにより、耐久性を向上させて維持管理費用を削減。また、鋼材腐食が原因のコンクリート片剥落による第三者災害を防止する。
NEXCO西日本が管理する橋梁構造物では塩害により鉄筋が腐食する劣化ケースが大多数を占めており、全ての部材に鋼材を使用しない非鉄製橋梁の早期導入に期待がかかる。
実物大の2分の1模型を使った載荷実験では、十分な耐荷力を確認。新材料を用いた床版についても、実物大模型による走行試験を実施し、従来の鉄筋やPC鋼材によるプレストレストコンクリート床版と同等以上の疲労耐久性が確認された。
NEXCO西日本の担当者は、「将来の維持管理費用が不要になることを期待し、さらに建設コストを抑えるための工夫を凝らし、取り替え床版の更新用部材としての導入も検討する」とした。