日本工業経済新聞社(茨城)
2013/09/26
【茨城】県監理課 専任技術者の10q兼務に慎重姿勢 企業に不公平感
県土木部監理課は、範囲10q程度の現場で専任の主任技術者が2件程度工事を兼務できる国の特例措置について、通常工事の適用に慎重姿勢をとる考えだ。理由は定義がはっきりしておらず、企業の受注に不公平感が出るため。ただ随意契約で技術者がいない時には使用する可能性もあるという。
国土交通省では、一体性もしくは連続性がある工事で距離が5q程度の場合は2件までを原則に兼務しても良いという特例措置をことし2月に全国へ拡大。さらに技術者不足の深刻化が想定されることから、被災地域では距離を10qまで拡大することにし、都道府県へ通知した。
ただ県土木部では、特定の工事業者が落札しやすくなり、入札の公平性を保てなくなる可能性があることから、慎重に検討して適用する姿勢をとっており、2月の通知以来、市町村にもよく考えて使うよう周知している。
例えば、先行して進むA工事と、それに続くB工事の2つが制度対象になったとする。その際、A工事を落札している業者がすでに専任の主任技術者を置いていることから、当然有利になる。その際、入札の公平性が保てなくなることが懸念される。
また対象は、国が発注するような1億円以上の工事ではなく、県や市町村が発注するような3〜4000万円程度の工事が想定される。問題が起きた際の影響も足踏みする要因となっているようだ。
なお2月の通知以降、県ではこの特例措置を1件も適用していない。