建通新聞社四国
2013/09/24
【高知】南海トラフ地震対策を加速化
高知県は9月19日、9月補正予算案の概要を明らかにした。一般会計の補正額は42億6469万円で、当初からの累計額を4502億4544万円としている。このうち投資的経費の補正額は9億9490万円。国からの内示増を受け、河川・海岸堤防の耐震化や砂防関連施設の整備など公共土木施設の防災・減災対策を進め、南海トラフ地震対策をさらに充実強化・加速化する。9月定例議会は25日に開会し、10月15日までの日程で行う予定。
公共土木施設などの防災・減災対策のうち、地震や高潮対策事業では、舟入川・下田川、久万川などの堤防・排水機場耐震化に1億4300万円、高知港海岸若松町地区の堤防耐震化などに1億6700万円を増額。広域河川改修事業費等には9900万円を増額し、新川川の河川改修や後川の水門長寿命化などを進める。国直轄河川事業負担金には1億7600万円を増額し、物部川、仁淀川、四万十川の河川改修を支援する。
砂防関連では、通常砂防事業費、地すべり対策事業費、急傾斜地崩壊対策事業費に4800万円を増額し、大豊町の柳野谷川砂防堰堤や仁淀川町の長者地すべり対策施設などの整備を進め、土砂災害対策を促進する。総合流域防災事業費には4200万円を増額し、砂防堰堤、地すべり対策アンカー、急傾斜地崩壊対策擁壁など老朽化施設の点検を促進する。
このほかの南海トラフ地震対策では、石油基地などの地震・津波対策の検討に5417万円。高知市のタナスカや中の島にある石油基地などの地質調査、耐震照査、耐震補強対策などを検討する。社会福祉施設の地震防災対策の推進には3000万円。津波浸水予測区域内に立地する社会福祉施設の高台移転について、2013年度当初予算で補助対象とした施設との一体的な移転を希望する施設に対し助成する。大規模建築物などの耐震化促進には2433万円。1981年5月以前に着工された病院、店舗、ホテルなどの大規模な建築物のうち、3施設の耐震診断に対する費用を助成する。商店街施設の耐震化や改修などの促進には1137万円。高知市の帯屋町二丁目、大橋通り、愛宕と四万十市の天神橋、中村大橋通りの各商店街でアーケードや街路灯の改修または撤去などの工事費を助成する。
南海トラフ地震対策以外では、美術館改修に3764万円(債務負担行為9196万円)。14年秋のオープンを目指し、石元泰博コレクション常設展示コーナーを整備する。14年4月に予定されている消費税増税に対応した施設整備事業費の見直しとして4億3584万円。新資料館、新図書館、新南国警察署(仮称)の建築工事請負費などを増額する。