建通新聞社四国
2013/09/17
【高知】高知市役所設計はプロポで、JVも?
高知市は、市役所新庁舎の建設基本計画の素案をまとめた。規模は5階一部6階建て延べ2万8000平方bで、概算の建設工事費は106億4000万円を見込んでいる。事業方式は、設計、施工、維持管理業務をそれぞれの段階に応じて発注・契約する業務分離発注方式とし、このうち設計者の選定方式はプロポーザル方式とする。新庁舎の規模の実績・ノウハウの活用や、市の地域特性を効果的に反映させることなど、より高い品質を確保していくためJVによる参加も視野に入れている。
今後は12月議会で最終報告を行った後、2014〜15年度に基本・実施設計と仮庁舎移転・解体などの準備を進め、16〜17年度に建設工事を行い、18年度の供用開始を目指す。基本設計と実施設計を一括もしくは分離するのかは検討中。
新庁舎は、建設可能範囲の敷地に効率よく、逆L字型の建物平面形状を基本として配置する方針。東側の前広場と一体となったエントランスゾーンを形成し、高知城を望む県庁前通りに面した正面性とメーンアプローチ空間を演出する。新庁舎の入口近くには来庁者用駐輪場を配置する。
平面・ゾーニング計画では、1階のエントランスホールはゆとりある空間とし、計画に応じて吹き抜けを設け、窓口部門に面して待合スペースやロビー空間を適宜配置する。また複数の出入口を設け、低層階(1〜2階)専用の階段やエレベーターを設置するなど、市民の利用が多い低層階の利便性に配慮する。
上層階のゾーニングは、建物の幅や奥行きなどの大きさに応じ、機能的な計画となるよう配慮する。建物の両側を階段室やエレベーターなどのコアとし、中央に主要動線となる通路を設けて執務室を対面配置させるパターンや、執務ゾーンの中間に階段室などの縦動線や吹き抜けを設置する形状を検討している。
階面計画では、1階は上層階より階高を高くし、2階から上の階層は、各室の大きさや快適性の観点より適切な天井高さを確保したうえで、構造や設備計画との整合、経済性にも配慮して階高を設定する。地下階は駐車場を主とした利用を踏まえつつ、免震層の設置も考慮した適切な階高を設定する。建物全体の高さは28b以下に抑える。屋上は主に太陽光発電パネルや空調室外機などの機器置場とし、周囲の目隠し壁を適切な高さまで立ち上がるなどの配慮を行う。
構造計画では、災害応急対策活動の中枢となる施設であることから、構造体をT類、建築非構造部材をA類、建築設備を甲類とする。基礎は30b程度の杭基礎とする。また設備システムでは、空調設備の省エネルギー対策として、外皮負荷の削減や高効率空調方式・高効率熱源の採用など、設計段階で効果的な検討を進める。
駐車場は、新庁舎地下に来庁者用・公用を合わせ160台程度を確保し、駐輪場は、来庁者用として庁舎周囲の屋外に屋根付きの平面方式で150〜200台程度、職員用として別に1100〜1500台程度を確保する。
新庁舎建設中の仮庁舎については、高知電気ビル第2別館の賃借と合わせ、裁判所北側にプレハブ庁舎を建設する。
概算事業費は、建設工事費が106億4000万円、設計費が4億円(地質・家屋調査含む)、現庁舎などの解体費が2億円、駐車場整備費が11億5000万円、駐輪場整備費が2億9000万円、外構工事費が3億6000万円など。