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建通新聞社(神奈川)
2013/09/13

【神奈川】神奈川県住宅供給公社存続 民営化基本方針廃止 神奈川県の黒岩祐治知事

 神奈川県住宅供給公社存続へ−神奈川県の黒岩祐治知事は県議会で、「住宅供給公社民営化」の基本方針を廃止し、公社を存続させながら、経営努力などにより、借入金を減らしていく方針を示した。今回の9月議会で同意を得たいとしている。
 住宅供給公社について県は、2006年1月に、「県の住宅政策における公社の役割は終了したと考えられる。今後の公社の在り方として、早期の民営化を目指すこととし、遅くとも17年度までの民営化を目指す」とする住宅供給公社民営化の基本方針を決定した。
 しかし、その後、さまざまな課題が明らかになり、経済情勢の変化に伴う県財政の深刻化や東日本大震災の発生による影響など公社を取り巻く環境の変化もあったため、あらためてこれを検証。
 借入金が削減されている状況などを考慮し、「15年4月の株式会社化という目標の達成は困難」としつつ、『遅くとも17年度までの民営化を目指す』という県の民営化の基本方針に沿って引き続き取り組む」とするあいまいな考え方としたまま、現在に至っている。
 一方、公社は本年6月に、中期の具体的な取組みを示す3カ年計画と経営の基本方針等を示す10カ年計画を組み合わせた新たな経営計画を策定。「県民への負担をかけずに着実に借入金を削減するためには、公社法に基づく法人として経営を継続することが最善」として、事実上民営化を否定した。
 黒岩知事は、こういった経緯を踏まえ、「これまでの経営努力で借入金は返済できる方向となっている。民営化の基本方針を廃止し、一層の経営努力を求めたい」とした。970億円の借入金の具体的返済方法については、「団地の建て替え資金を確保しながら計画的に借入金を返済するためには、計画に示された取り組みを着実に進める必要がある。また、公社債を発行することで県の補填がなくても低金利での資金調達が可能となる」と、新たな資金調達の方向性を示した。