日本工業経済新聞社(群馬)
2013/09/13
【群馬】渡良瀬川河川が砂防堰堤を補強
国土交通省渡良瀬川河川事務所は、老朽化した砂防堰堤計75基を対象に補強工事を計画、来年度から工事に着手する。本年度は、10基で予備設計、3基で詳細設計を進めるとしており、いずれも委託および公告済みとなっている。このうち群馬県内では予備設計が6基、詳細設計が1基の内訳となっている。管内には砂防堰堤が161基あり、このうち75基が安定性が不的確と判断され、42基が群馬県内の施設。
同事務所では、2008年に管内の砂防堰堤全161基を対象に構造計算等を行い、現在の基準と照らし合わせて施設に安定性があるかの判定を実施。75基(群馬県内42基)が不的確の判定となっており、いずれも建設から30年以上経過している。不的確の判定となった堰堤は、設計の中で詳しい工法を検討するものの、建設年度が経過し土砂が堆積していることから下流部への腹付け工がメーンとなる見通し。
群馬県内では本年度、麦久保砂防堰堤、小中川砂防堰堤、岩下沢二号砂防堰堤、鳥居川二号砂防堰堤、追付砂防堰堤の計5基で予備設計を、川口川三号砂防堰堤のみ予備および詳細設計を進める。
栃木県内では、小滝川4号砂防堰堤、神子内砂防堰堤、仁田基側二号砂防堰堤の計3基で予備設計を、内篭川一号砂防堰堤と餅ヶ瀬川一号砂防堰堤で予備設計および詳細設計を行う。
詳細設計まで行う川口川三号砂防堰堤は、桐生市黒保根町地内を流れる川口川に建設された堤高14m、堤長29・36m、天端幅2m、立積7239立方mの不透過型、粗石コンクリート造の堰堤。栃木県内で詳細設計を行う内篭川一号砂防堰堤と餅ヶ瀬川一号砂防堰堤の2基となっており、内篭川一号堰堤の諸元は、堤高15m、堤長32m、天端幅2m、立積2049立方mの不透過型、粗石コンクリート造、餅ヶ瀬川一号砂防堰堤の諸元は堤高15m、堤長47m、天端幅2m、立積1850立方mの不透過型、粗石コンクリート造となっている。着工順は設計後に判断するものの、来年度から順次工事に着手する。
予備設計のみを行う群馬県内の砂防堰堤計5基は、麦久保砂防堰堤が堤高24・4m、堤長85m、天端幅2m、立積1万1865立方mの不透過型のコンクリート造。小中川砂防堰堤は堤高12・5m、堤長29・36m、天端幅4m、立積1193立方mの不透過型の粗石コンクリート造。岩下沢二号砂防堰堤は、堤高15m、堤長87m、天端幅2m、立積6630立方mの不透過型のコンクリート造。鳥居川二号砂防堰堤は、堤高6m、堤長36m、天端幅2m、立積1262u。追付砂防堰堤は、堤高14m、堤長48m、天端幅4m、立積2821立方mの不透過型の粗石コンクリート造。
設計は、2012年度補正予算分で川口川三号砂防堰堤、麦久保沢堰堤、小中川砂防堰堤、栃木県内の小滝川四号砂防堰堤、内篭川一号砂防堰堤、神子内砂防堰堤を一括して建設技術研究所(東京都中央区)に委託し、13年度予算分で、岩下沢二号砂防堰堤、鳥居川二号砂防堰堤、追付川砂防堰堤、栃木県内の仁田元川二号砂防堰堤、餅ヶ瀬川一号砂防堰堤を一括して公告しており、10月21日が開札日となっている。