日本工業経済新聞社(群馬)
2013/08/30
【群馬】県東部農業がため池63カ所を一斉点検
県東部農業事務所農村整備課は本年度、管内にある受益面積2ha以上のため池全63カ所を対象に施設状況など基本情報の調査を委託する。業務は9月中に全施設を一括して指名競争で入札する。来年度以降にこの調査を基に耐震性の点検や調査に移る予定。63カ所のうち、早川貯水池と阿左美新沼の2カ所については、規模が大きいことから平行して耐震調査を計画。早川貯水池は9月中に指名競争で委託し、阿左美新沼については、来年度以降の調査委託を予定している。
今回の調査で対象となるため池は、受益面積が2ha以上のもので桐生市内に20カ所、太田市内に36カ所、みどり市内に6カ所、邑楽町内に1カ所の全63カ所。このうち約7割が明治時代以前に造成されたものとみられている。
早川貯水池と阿左美沼、阿左美新沼、中野沼の4カ所は特に規模が大きく、それぞれの諸元は、桐生市新里町新川地内にある早川貯水池は堤高26m堤長241・8m、総貯水量120万立方m、みどり市阿左美地内にある阿左美沼は堤高3・4m、貯水量154万7000立方m、同地内の阿左美新沼は堤高12・7m、総貯水量92万7000立方m、邑楽町中野地内の中野沼は堤高0m、総貯水量17万1000立方mとなっている。
基本情報の調査では、施設の老朽化具合や各諸元とダム形式の確認、下流への影響度や緊急度などを調査。
また、全63カ所のうち県がため池耐震整備基本方針内で耐震性の調査が必要と定めた堤高10m以上、貯水量10万立方mの規模である早川貯水池と阿左美新沼の計2カ所は、基本情報の調査に加えて耐震性の点検も行う。本年度は、早川貯水池の耐震性点検を9月に指名競争で委託する予定で、ボーリング調査やPS検層を行い、その結果を受けた詳細な解析を来年度に実施。関係する市町や施設管理者などと協議し、早期に対策の時期や対策工法について検討する。なお、2ha未満のため池については市町が事業主体となって点検を行うとしている。