福島建設工業新聞社
2013/08/29
【福島】都市再生機構/いわきの復興区画整理にCM方式導入
UR都市再生機構は、いわき市から受託した豊間、薄磯の震災復興土地区画整理事業で、CM方式を活用した設計・施工一括発注を導入。工事施工等の一体的マネジメント業務を委託するため、公募型プロポーザルを実施する。URによる震災復興支援事業での同方式活用は県内では初めて。
市から受託した両地区の震災復興土地区画整理事業を一括。CM方式を活用した同方式を導入することで、事業の円滑な執行と促進を図る。
2地区では県事業により防災緑地の整備も計画されており、区画整理事業で出た土を防災緑地の盛土として活用する。URと県で協定を締結しており、今後、盛土の一部をURが受託。今回委託する業務範囲に、区画整理事業のほか、防災緑地の盛土も含めている。
2地区の区画整理事業の基本設計はURで行っており、実施設計以降の調査・測量・設計、工事施工等のマネジメント業務全般をCMrが担う。
URとCMrは、コスト(業務原価)にマネジメントフィー(報酬)を加えた上限価格で契約を結ぶ。CMr(受託者)が調査・設計、施工等の「専門業者」を選定。オープンブック方式を採用し、これら専門業者への支払い額を開示することで、透明性を担保する。
マネジメントフィーは業務原価の10%程度が目安だが、実際の率は技術提案により設定する。VEによるコスト縮減のインセンティブもCMrに付与する。
業務は、整備内容が確定し、速やかな工事着手を図る「早期整備エリア」と、整備範囲や土地利用計画が確定していない「次期エリア」に区分。CMrとは当初、早期整備エリア分について契約を結び、次期エリアについては着手できる段階になった時点で、改めてCMrと契約する。CMrは早期整備エリアの工事実施と並行して、次期エリアでのマネジメント業務に着手する。
URは業務委託に当たって29日付でプロポーザルの公募手続きを公示した。WTO対象案件。対象者はURの競争参加資格「土木工事」登録の単体企業か2〜3者JVで別途、URの「土木設計」資格登録の建設コンサルタント2者以内を参画させることができる。
参加資格は、単体とJV代表者が客観点1200点、JV代表以外が1150点以上で、設計に関する公共団体等協議の業務実績、大規模土工(概ね100万立方b以上)の施工実績が必要。
参加表明書提出期限9月12日。10月15日まで技術提案書の提出を受ける。技術提案書提出者に対するヒアリングで特定した優先交渉権者と価格交渉を行った後、見積もり合わせにより契約を締結する。
技術提案は、マネジメントの執行体制や施工手順などを求める。専門業者の選定に当たっての地元活用の考え方などもポイントになる。
業務内容は@目標工期の最短化の実現やコスト縮減など施工の前段階に関連する検討A工事の施工に関する調査、設計等業務の管理B公共団体等との設計等協議C運土調整D工事施工など。先行エリアの履行期限は27年3月15日。工事施工内容は次の通り。
【早期整備エリア】▼豊間地区@整備面積16・4f(防災緑地6・2f含む)A土工事量=掘削69万立方b、流用土盛土29万立方b、地区外運土40万立方bB法面工1・7平方bC道路工(幅員6〜12・5b)2`D舗装工(歩車道)1・3万平方bE擁壁工0・6`Fボックスカルバート0・5`▼薄磯地区@整備面積37・2f(防災緑地5f含む)A土工事量=掘削108万立方b、盛土97万立方b、地区外運土11万立方bB法面工3・7万平方bCボックスカルバート0・4`
【次期整備エリア】▼豊間地区=整備面積概ね46f(防災緑地5f含む)▼薄磯地区=整備面積概ね30f