日本工業経済新聞社(茨城)
2013/08/20
【茨城】県農地整備課 北川根の経営体育成 本年度から事業着手
県農林水産部農地局農地整備課は、北川根地区(笠間市、茨城町)の経営体育成基盤整備事業に本年度から着手する。2018年度までの6カ年で、用水と排水の被害に悩む120・4haを事業費7億7800万円で解消させる。用水路工(120・4ha)や農道工(3q)などを行う。現在は国庫補助交付に向けた法手続き中で、その作業が終わり次第、年度後半から測量や設計の委託が行われる予定だ。
同地区は、県央部の那珂川水系涸沼川(1級指定河川)に面する平地農業地域。現在は、井戸水が安定した水源とならず慢性的な水不足であるほか、一部の排水路は断面不足や水路底が浅いため、水位が高く乾田化の障害となっている。
このため、用水路網の整備や用水機場4カ所の新設により円滑な用水供給を図るほか、排水路を整備し乾田化を進める。
また工事に際し、地球温暖化防止に寄与するため、排対型機械などを積極的に活用する。新設する用水機場調整池の護岸材は、動植物の生息可能域となるよう植生可能な自然石風ブロックマットを使用する予定だ。
計画では、幹線道路が幅員5mで、路床置換(RB−40)を55p、路盤(M−30)を15p、表層(再生密粒度As)を4pで積み上げていく。道路の両サイドは用地買収を見込む。
支線道路は幅員5mでうち有効幅員が4m。既設As舗装をメーンに両サイドは10pの敷砂利(RC−40)で仕上げる。
そのほか排水路は、3〜3・6mの幅に排水フリューム(1000×900〜1000×600)などを整備する。パイプラインは深さ60pにRRVU管(φ100〜300)を布設する。
総事業費は7億7800万円で、このうち3q(59・5ha)の農道工に1億1100万円、26q(120・4ha)の用水路工に4億400万円、2・4q(18・1ha)の排水路工に6800万円。用水路工にはパイプラインと機場の予算が含まれている。
そのほか測量試験費に5600万円、用地取得に8700万円、工事雑費に1500万円、地方事務費に3700万円が見込まれている。
本年度の新規採択を経て、現在は国庫補助の交付に向けて手続き中。土地改良法の手続きが済み次第、内示への申請を進め、交付決定を経て事業が執行される。内示申請や交付決定の時期はおおむね9月ごろ。出先事務所(県央農林事務所土地改良部門)からの測量、設計の委託は年度後半になりそうだ。