建通新聞社四国
2013/08/13
【愛媛】小中学校の耐震化率、全国ワースト3
愛媛県内小中学校の耐震化率は75・6%で、全国順位を昨年度より1ランク落としワースト3位となっている。市町別(表参照)では、新居浜市や愛南町など7市町で耐震化が完了しているものの、宇和島市など5市町が50%台と低迷している。文部科学省が4月1日現在でまとめた耐震改修状況調査の結果が発表された。
今回の調査は、耐震改修状況の他、非構造部材の耐震対策や吊り天井を有する屋内運動場などの状況調査なども合わせて実施された。
県内公立小中学校の耐震化率は75・6%。全国平均の88・9%を大きく下回り、耐震化率も低いうえ、昨年度からの伸び率も3・9%と全国平均の4・1%を下回る。
耐震診断の実施率は99・6%と高いが、補強工事が遅々として進んでいない状況がうかがえる。
耐震性のない棟と診断未実施の棟の合計は389棟あり、文科省が求める2015年度末までの耐震化完了は厳しい棟数が残っている。
一方、公立幼稚園は、耐震診断率100%、耐震化率79・7%と全国平均(79・4%)並みに推移。耐震性のない棟と診断未実施の棟の合計は12棟となっている。
高等学校の耐震化率は61・5%で全国最下位、全国平均86・2%。特別支援学校についても耐震化率は79・2%で全国ワースト2位。全国平均の94・6%から大きく水を開けられている。このため県では14年度から3カ年での耐震化強化を掲げて事業に取り組んでいる。
同時に調査が行われた県内公立小・中学校の天井材などの非構造部材の耐震対策実施率は70・4%と全国平均の60・2%を10ポイント程度上回っている。
屋内運動場などの吊り天井の設置状況では、何らかの対策が必要な棟数29棟のうち、対策がなされたのは1棟。
非構造部材は天井材、外壁(外装材)、内壁(内装材)、照明器具、窓ガラス、放送機器、テレビ、書棚などで近年発生した大規模な地震による天井材の落下など被害が発生しており、文科省は、構造体の耐震化だけでなく、非構造部材の耐震対策もできるだけ早い時期に完了させる方針を示している。特に致命的な事故の起こりやすい屋内運動場の天井などについて早期の落下防止対策を求めている。