建通新聞社四国
2013/08/13
【高知】室戸市の津波避難シェルター、設計開始
高知県危機管理部は、南海トラフ地震による津波対策のパイロット事業として、室戸市佐喜浜町都呂地区で整備を計画している津波避難シェルターの実施設計をオリエンタルコンサルタンツ(高知市)に委託した。納期は2014年3月17日まで。この設計の中で、地形や用地、予算などの諸条件をクリアできれば、14年度にも工事着手する見込みだ。
今回、設計を行うシェルターは、これまでの技術検討委員会で出された4パターンのうち、都呂地区の地形に適した、平地が少なく背後の山を有効利用できる崖地用を採用。概略検討による概要は、幅3b、延長約50bのトンネル部と直径3b、高さ20b程度でらせん階段付きの立坑部からなり、二重の止水扉、非常用電源、換気・照明設備などを設置する。収容人員は100人程度で、概算工事費は2億0800万円。
建設地は、都呂地区の中でも集会所に近い場所を想定しており、設計の中で地形の状況などを踏まえ場所を特定する。その中で延長や高さ、工事費が概略検討より多少変わるとみられる。
室戸市佐喜浜町都呂地区は、海に面している国道55号に沿う形で古い住宅が密集している。県の想定によれば、10〜20分で30aの津波が到達し、最大で5〜10bの津波浸水深になるとしている。住宅の背後の山を避難場所とすることが地形的に難しいが、地域の高齢化が進み、要介護者もいるため、避難に際し体力的な負担が少なく短時間で避難可能な施設が必要であり、今回、県が行うパイロット事業によりシェルターを整備する。