建通新聞社
2013/08/06
【大阪】池内幸司近畿地方整備局長が就任会見
8月1日付で国土交通省近畿地方整備局長に就任した池内幸司氏が、8月5日に就任会見を開いた。重点分野として@防災・減災対策A戦略的な維持管理・更新B経済成長への支援C観光振興への支援−の4点を挙げ、その中でも「近畿地方にはミッシングリンクが数多く存在している。経済成長を支える上でも、防災、観光振興の面からも問題があるため早期解消に向けて力を注ぎたい」と強調。近畿自動車道紀勢線や京都縦貫自動車道、新名神高速道路などの整備を着実に進めていく姿勢を見せた。
南海トラフ巨大地震が発生した場合に、紀伊半島では甚大な被害が予測される。「東日本大震災では“くしの歯作戦”がうまくいった。近畿管内でも、道路啓開により人命救助や緊急輸送が迅速にできるよう紀勢線の整備を急ぐ必要がある」。
また、紀伊半島大水害の復旧・復興と併せて「ゲリラ豪雨が多発する中、軟弱な沖積平野に市街地が広がっていることを再認識し、ハード・ソフト施策を講じなくてはいけない」という。
高度成長期に建設されたインフラをはじめ「老朽化した施設の割合が急速に増加していく。限られた予算の中で維持管理・更新を確実に進めるために、所管施設の状況把握を行い、データベース化しながら長寿命化計画を策定する」方針。
経済を再生させ成長軌道に乗せることが国内の最重要課題であることを踏まえ、「経済成長を支える道路、港湾などの交通インフラ整備を重点的に行う」。特に阪神港の再生は国内の大きな課題だと位置付ける。
近畿に数多く存在する観光資源を生かした取り組みに対し、インフラ整備を通して支援する構え。一方で「われわれが管理するダムや、進行中の工事現場が観光資源になっている事例もある」とし、集客のための一つの大きな資源と捉えて事業展開を図りたいとする。
大阪は「水辺を生かしたまちなみ整備が進んでおり、川に背を向けていたビルも川のほうを向き始めた。“水の都”としての魅力が復活してきた」との印象を持つ。