建通新聞社四国
2013/07/30
【愛媛】総合評価期間短縮、検討未着手
愛媛県が実施している総合評価方式の入札で、応札者から技術提案を求める1億円以上の施工計画型の開札から落札者決定に1カ月以上かかっており、応札者から技術者の長期待機や工期への影響などさまざまな問題点が指摘されているが、県では期間短縮についての取り組みはなされていない。
県が実施する総合評価落札方式の施工計画型は、設計金額1億円以上の工事を対象とし、価格のほか技術提案を求め、総合的に評価して落札者を決定している。
案件によっては入札手続き開始(公告)から落札者決定まで2カ月以上かかっており、技術提案内容の評価に時間がかかり過ぎている感がある。
公共事業が持つ経済対策の面からも入札手続きや評価期間の短縮が求められるが、県では「期間短縮についての方策は、現在検討していない」と話す。
近県の徳島県、香川県、高知県ともに応札者から技術提案を求める同様規模の案件での開札から落札者決定までの期間は、2週間程度となっており、愛媛県が突出している。
愛媛県が2012年度に実施した施工計画型の案件数は32件。開札から落札者決定までの期間は3週間から4週間程度かかっていた。
保留期間の弊害として、技術者の長期待機や工期への影響などさまざまな問題点がでており、総合評価の入札が増加する傾向にある中、今後も技術提案内容の評価体制の効率化・強化が求められる。
県建築住宅課では、13年度に学校施設の耐震改修の推進を図るため、50棟近い発注を計画、施工計画型の案件も多く、5月から順次入札手続きを進め、早いものでは6月中旬に開札がなされているが、近く数件の落札者が決定されるもようだが、7月25日現在、決定に至った案件はなく、開札から1カ月以上が経過している。公示日からは2カ月半が経過しており、技術者の長期待機は続く。
県が実施している施工計画型の落札者決定までの過程は、開札後に県が応札者の技術提案を評価・審査した後、学識経験者らの総合評価委員の意見を2人以上から聞き、県が評価決定する。決定後に参加者に落札候補者としての決定を通知。その後、2日間の意義申し立て(疑義)期間を取り、落札業者決定し、契約に至る。