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建通新聞社四国
2013/07/30

【高知】津波等対策ガイドラインを10月公表

 学識者や下水道専門家、高知県内の下水道管理者などで構成する高知県下水道地震・津波対策委員会(藤原拓委員長=高知大学教育研究部教授)は7月23日、第4回委員会を開き、高知県下水道地震・津波対策ガイドライン案や津波シミュレーションによる被害想定と津波対策などについて審議した。ガイドラインは、高知県土木部公園下水道課と日本下水道新技術機構が共同で策定。東日本大震災の被災状況やデータなどを参考に、各自治体が地震・津波対策を進めるにあたって、処理場・ポンプ場・管路施設の対策メニューを図や写真などを使って具体的に示しているほか、下水道BCP策定に向けての留意点などを挙げている。今後は、10月下旬の公表を目指し、最終の調整を進める。
 ガイドライン案で示された、地震防災対策メニューのうち、処理場・ポンプ場では、各施設の被害状況に応じて側方流動対策、液状化対策、耐震対策を採用する。側方流動対策は、既設護岸を自立式鋼管矢板護岸で改良強化するもので、港湾や河川の強化でも採用されている。液状化対策は、構造物の外周に鋼矢板や深層混合処理工法などの地盤改良を行い、液状化による地盤変位を抑制する。
 耐震対策のうち、施設接続部の対策では、水槽や水路のエクスパンションジョイント部に可とう性継手を設置し、地震時の躯体のズレによる漏水を防止する。躯体の補強では、断面RC断面増厚等、あと施工せん断補強筋、炭素繊維補強、鋼板補強の4工法を示している。
 管路施設では、管路施設の液状化対策として、埋戻し土の固化、埋戻し土の締固め、砕石による埋戻しの3工法。新設マンホールの液状化対策としては、発生防止対策で、締固め・固化、過剰管隙水圧の発生抑制の2工法、被害軽減対策で、杭、アンカー、遮断壁、重量化、土の移動防止の5工法。既設マンホールの液状化対策としては、発生防止対策で、固化、過剰間隙水圧の消散の2工法、被害軽減対策で、遮断壁、アンカーの2工法。マンホールの浮上防止対策で、重量化、過剰間隙水圧抑制、アンカーの3工法を示している。
 津波対策メニューのうち、処理場・ポンプ場では、津波漂流物対策として、侵入防止フェンスや防護壁の設置。波圧対策として、防護壁設置や壁補強。浸水対策として、開口部で防水扉、開口部など閉塞、防水板、ガラリの切り替え、水密性覆蓋・水密蓋の設置。流入・放流対策で、自動電動ゲート、フラップ弁。設備機器などの対策で、設置階移設、防水化を示している。
 ハード対策の実施が困難、または実施までに相当の期間を有する場合は、ソフト対策としてBCP(事業継続計画)を策定する。ガイドライン案では、人命を守る、汚水発生量の想定、仮設ポンプ能力の算定など19項目の留意点を示している