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建通新聞社(静岡)
2013/07/26

【静岡】県 地震・津波対策などで約55億を追加補正

【静岡】静岡県 地震・津波対策などで約55億を追加補正
 静岡県は、第4次地震被害想定と地震・津波対策アクションプログラム2013を踏まえた地震・津波対策の経費など、緊急に対応が必要な経費として総額54億9500万円の追加補正予算案を6月議会に上程した。
 地震・津波対策アクションプログラムへの対応は35億4200万円を計上。新たな津波被害想定への対策(16億3900万円)として、緊急河川調査事業(7億3500万円)で38河川を対象に津波対策施設設計、8河川で水門耐震調査、3河川で河川堤防耐震調査を実施する。緊急港湾調査事業(4億1900万円)では、港湾施設の耐震性能調査と対津波安全性診断を緊急輸送岸壁2カ所、水門2カ所、堤防55カ所を対象に行う。道路関係は、緊急道路施設調査事業6200万円を計上し、中島橋(三島市)、広沼橋(富士市)、小藪川橋(磐田市)など7橋の耐震対策調査・設計を予定している。
 また、御前崎市池新田の県環境放射線監視センターを、富士山静岡空港隣接地に移転・新設するオフサイトセンターと一体的に整備するための造成実施設計(700万円)、建物基本・実施設計(2900万円)、土地造成費(4300万円)として計7900万円を盛り込んだ。スケジュールとしては、14〜15年度に建築工事を行い、15年度供用開始を予定している。
 この他、県営吉田公園内に津波避難地となる命山を整備するため、13年度に測量、地質調査、詳細設計を計画。
 県では、9月補正予算以降も段階的に対応する方針で、市町への本格的な支援策を中心に今後検討を進めるとしている。想定される対策として、防災拠点などへの再生可能エネルギーの導入、耐震改修促進法の改正に伴う大規模建築物の耐震対策促進などを挙げている。
 建設関係の主な事業費と概要は次の通り。(カッコ内が事業費、単位=万円)
【新たな津波被害想定への対策】
 ▽県有施設の対津波安全性検証事業(8700)−下田総合庁舎ほか17施設の対津波安全性診断、11施設の設備診断
 ▽水道施設津波被害影響調査事業(1000)−榛南浄水場の対津波安全性診断など
 ▽備蓄資材置場移設等対策事業(7200)−津波浸水域内にある備蓄資材置場の浸水域外への移設6カ所
 ▽緊急河川調査事業(7億3500)−河川の津波対策施設の設計と耐震性調査
 ▽緊急港湾調査事業(4億1900)−港湾施設の耐震性能調査と対津波安全性診断
 ▽緊急漁港調査事業(1億1600)−漁港施設(水門3カ所、堤防等17カ所)の耐震性能調査と対津波安全性診断
 ▽都市公園津波対策緊急避難地整備事業(1100)−県営吉田公園に津波避難地となる命山を整備
 ▽地震対策調査(5000)−内閣府の地震・津波に関する新モデルを基にした第4次地震被害想定の検証
 ▽市町アクションプログラム策定支援事業(1億)−35市町へ策定支援のため調査コンサルタント派遣
 ▽津波緊急避難設備・装置提案普及モデル事業(1000)−社会福祉施設等の津波避難設備を県地震防災センターへモデル設置
【超広域災害への対応】
 ▽緊急道路施設調査事業(6200)−7橋の耐震対策調査と設計
【複合災害・連続災害対策】
 ▽環境放射線監視センター移転整備事業(7900)−設計、土地造成
【その他】
 ▽私立学校地震対策緊急整備事業費助成(制度拡充)−耐震補強工事の補助上限額の撤廃など
 ▽緊急農地調査事業(1800)−農業用施設211カ所の耐震化の実行計画策定のための調査
 ▽緊急治山調査事業(1700)−緊急性の高い5カ所の山地災害防止施設工事のための事前調査
【子育て・福祉対策】
 ▽私立幼稚園緊急環境整備事業費助成(8000)−遊具等環境整備に助成
 ▽社会福祉施設等耐震化等事業費助成(1700)−社会福祉施設7カ所のスプリンクラー整備に対して助成
【災害対策】
 ▽現年補助災害土木復旧費(1億8000)−公共土木施設の復旧<河川>
 ▽災害関連事業費(10億3500)−浜松市天竜区春野町で発生した地すべりによる災害に対する土砂災害防止施設の整備
(2013/7/26)

建通新聞社 静岡支社