静岡県は、地震・津波対策の対応と予算措置について、水門や堤防など整備の調査・設計を前倒しし、6月議会に早期に事業化が可能な対策について提案できるように作業を進めている。さらに9月補正予算などでも市町が機動的に津波対策を実施するための新しい支援制度の創設を盛り込む方針。22日に開かれた静岡県議会6月定例会の鈴木澄美氏(自民改革会議)の質問に、川勝平太知事が答えた。
川勝知事は、地震・津波対策アクションプログラム2013への対応方針として、あらためて三つの重点施策を挙げた。第1の施策は、新しい津波被害想定への対応で、防潮堤の嵩上げなど津波を防ぐ施設整備により、レベル1の津波による人的被害を8割減少させることを目指す。また、レベル2の津波に対しては防潮堤を粘り強い構造に改造する。
第2は超広域災害への対応。富士山静岡空港隣接地への基幹的広域防災拠点の整備、さらに緊急輸送路の整備、耐震化などを進める。第3は複合災害、連続災害の対策とした。
予算措置と必要な財源確保については、段階的に補正予算を編成して対応する。具体的には水門や堤防などの整備に係る調査・設計を前倒しし、早期に事業化が可能な対策について、6月議会に提案できるように作業を進めている。さらに9月補正予算などについても市町が機動的に津波対策を実施するための新しい支援制度の創設を盛り込み、アクションプログラムを着実に実施していく。
必要な財源確保については、14年度以降の対応として「国に対して南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」の早期成立を強く投げ掛けるとともに、国庫補助金などの嵩上げ措置も求めていくとした。
この他、東部(伊豆の国市)と西部(浜松市北区)の特別支援学校の支援については、安倍徹教育長が答弁。2施設共に建築後40年以上が経過し、校舎本体、電気、水道関係の設備の老朽化が進んでいることに加え、機能面の改善も必要となっていることから改築する計画。しかし、学校敷地に余裕がなく、現在地での改築は困難が予想され、西部については専門性を持つ医療機関が近くにない。このため、移転改築も含めて多角的に検討している。今後関係者と協議しながら、できるだけ早期に具体的な改築方針を定めていくとした。
(2013/7/24)
建通新聞社 静岡支社