日本工業経済新聞社(茨城)
2013/07/24
【茨城】土浦市のJR土浦駅前北地区再開発事業 最優秀者にINA
土浦市土浦駅北開発事務所は、JR土浦駅前北地区再開発事業の基本実施設計にかかわる公募型プロポーザルを実施し、最優秀提案者に鰍hNA新建築研究所(東京都文京区)を選定。7月22日に1億9131万円(税込み)で契約を締結した。契約期間は2015年3月20日まで。施設棟の工事は15年6月ごろから取り掛かり、施設棟は16年度内の工事完了、17年7月の供用開始を目指す。基本計画における事業費は総額53億3300万円。なお今回の提案は、施設の外観モチーフに「土浦城東櫓、竪格子、ツェッペリン号」を取り入れている。
JR土浦駅前北地区再開発事業は、空洞化の進む土浦西口周辺地区の魅力化、活性化を図るために図書館を核とした施設棟を整備するもの。昨年度に鰍hNA新建築研究所で、基本計画をまとめた。
市は、5月14日に基本実施設計にかかわる公募型プロポーザルを公告。5月29日までに参加表明書を提出した2者について、技術者の資格・技術力、業務実施に当たっての理解度や取組意欲、実施方針の基本的な考え方を総合的に評価し、両者に技術提案書の提出を要請。
7月1日に開催した第3回選定委員会において、技術提案書提出者に対しヒアリングを実施するとともに、各テーマへの対応、具体的提案に対する各者のプロポーザルを多様な観点から審査。最優秀提案者に鰍hNA新建築研究所を選定した。技術評価点は110点中、INAが71・02点、もう1者が61・72点だった。
最優秀提案者となった鰍hNA新建築研究所の提案は、課題テーマに関して明快で説得力のある提案がされている上、地域特性、周辺地区との調査、事業計画地の秘めるポテンシャル等を十分に理解しながら、バランスのとれた密度の高い提案が高評価を受けた。
なお同社は、提案の際に施設計画3つのテーマとして@相乗効果を生む有機的複合施設づくりA施設と街をつなぐ魅力的公共空間づくりB活性化の主体となる市民活動拠点づくり−を掲げた上で、「歴史を継承し未来へ向けたデザイン」とするため、外観モチーフに土浦城東櫓、竪格子、ツェッペリン号を採用した。
施設規模は、基本計画で示されている地上4階建て(高さ約22m)、延べ床面積約9750uがベース。内部には、公益施設として図書館とギャラリーを設けるほか、交番、業務店舗、保留床を配する。事業費は総額53億3300万円。
なお施設内部に配する図書館の内装設計は、今回のプロポーザルとは別に委託する計画で、今月30日には基本設計の入札を執行する。予定価格は2429万円。
関連事業としては、都市計画道路駅前東崎線の拡幅も計画。りそな銀行土浦支店前から、にぎわい広場前までの延長190mを拡幅(W9・5m→14m)する。またにぎわい広場から先、土浦高架下T字路までの延長80mも同様に拡幅(W9・5m→14m)する計画だ。工期24カ月で、施設棟供用と同時期の工事着手、供用を予定している。
また新図書館などへの動線を確保するため、施設棟と既存ペデストリアンデッキを連結する。このペデストリアンデッキは延長100m、幅員3・5mを予定。本年度は既設計の照査および設計図修正、上屋設計、図面作成などを行う。14年度から工事に着手し、15年度末の工事完了を予定している。