日本工業経済新聞社(埼玉)
2013/07/23
【埼玉】埼玉県建設業協会が関東整備局と意見交換会
埼玉県建設業協会は関東地方整備局とさいたま新都心合同庁舎で19日、意見交換会を執り行った。深刻な若手技術者の入職減少とその対応、受発注者双方の入札手続きの簡素化などについて意見交換した。協会側のテーマおよび要望事項としては、発注の平準化、負担軽減の入札方式、指名競争活用などを「入札契約制度改善」の中であげた。
整備局は、四半期ごとに発注見通しを示し、あらかじめ工事が把握できるようになっていると答えた。工期を考慮すると上半期が多くなることを付け加えた。
負担軽減として、8月から事務所発注分は技術提案を求めない方式を活用することとなり、負担が減少するとアピール。
指名競争入札については、「本省と相談するとしている」が、暗に否定したとみられる。
総合評価方式の改善のテーマについては、40歳以下の比較的若い代理人、または担当技術者として配置した場合は加点される「若手ターゲット方式」の活用、配置予定技術者の拘束期間短縮のため落札決定までの期間短縮の方式などを要望した。整備局は、地域の建設業が生き残れるような地域密着型、若手技術者配置方式を採用していることを説明。2012年度はCランク業者の工事の半分に相当する600件を地域密着型で行ったとしている。
「受発注者のコミュニケーション向上」のテーマで、ワンデーレスポンス、設計変更審査会の活用で一部要望した。協会側は不十分なこともあるとし、整備局も「設計変更審査会はまだ不十分と認識している」と認めた。その上で「適切な設計変更できるようガイドラインに基づき円滑になるよう努力する」としている。
その後のフリー討議では、若手が建設業に入職しない現実は深刻だと受発注者双方ともに受け止めている。
森北関東地方整備局長は「建設業について、休日、賃金、転勤、先行き不安、きついのおおむね5つに集約されるのでは」との考えを示した。休日が少なく、賃金が低く、現場によっては転勤もあり、業界の先行きは明るくなく、炎天下の中仕事をする危険できついさらに汚いといったイメージを指摘したもの。
真下埼玉県建設業協会会長は「先日は局長表彰などの表彰式を行っていただき、現場での技術者も意欲が沸いています。今後もご指導お願いします」と述べた。