静岡県は、県立静岡南高校(静岡市駿河区大谷5762)跡地への移転を計画している「自然学習資料センター」の設計を9月までに完了し、工事を10〜12月に入札する予定を明らかにした。整備工事は2013〜14年度の2カ年で行い、14年度の供用開始を目指す。移転整備費は全体で約4億8500万円、このうち改修工事費には約3億8000万円を予定している。
施設は、「自然学習資料センター」として14年度に供用し、その数年後、博物館への移行を目指して、収集保管、調査研究、展示・情報発信、教育普及の活動充実を図る。このため、「ふじのくに自然系博物館」の基本構想を策定する検討委員会(委員長・安田喜憲東北大学大学院環境科学研究科教授)を設け、18日に静岡南高校跡地で初会合を開いた。当日は、12年度末にまとめた自然学習資料センターの整備方針などを県側が説明するとともに、改修する旧校舎内を視察した。
整備方針のうち施設計画を見ると、校舎を改修してセンターとして活用し、プール(25b)を撤去して駐車場とする。施設整備の特徴としては、@県産材の積極活用A学校らしさを生かした空間提供Bデートスポットになるような空間整備C自然環境と調和した施設整備D静岡らしさの演出−などを挙げた。このうち、県産材の活用では、展示室・コミュニケーションホールの床、テーブル、展示ケースなどに木材を使用。学校らしさ生かす空間では、生徒昇降口の吹き抜けを生かした展示ホールを盛り込んだ。
改修工事の設計は、企業組合針谷建築事務所(静岡市駿河区)で進めている。9月の完了を目指し、10〜12月に工事入札、14年1月の着工を予定している。
県立静岡南高校は、静岡市立商業高校と再編し、12年度に閉校した。改修する校舎は、鉄筋コンクリート造3階建て延べ9329平方b。1983年〜84年の完成で、一定の耐震基準を満たしている。
(2013/7/23)
建通新聞社 静岡支社