公共建築物などでの県産材の利用促進を進めている静岡県は、2013年度も東部、富士、中遠の3総合庁舎と、男女共同参画センター「あざれあ」で県産材を活用した施設改装を計画している。このため夏に設計着手し、秋に工事を始め、13年度内の完了を目指す。
県は、公共建築物等木使いモデル事業を12年度から始めた。12年度は、県庁本館2〜4階の廊下、4階特別会議室の腰壁に、伊豆、富士、安倍、大井、天竜の各産地から調達したヒノキの板材を使用した。また、02年度には県庁別館の展望ロビー、西館4階ロビーにスギ、ヒノキを使用するなどの実績がある。13年度も総合庁舎などで県産材を活用するが、今後も県有施設を順次、木質化していく計画。多くの人が訪れる施設を対象に「県民が見て、触れて、親しんで、身近に木を感じてもらえる新しい見せ方、木の新しい使い方を形にしていく」としている。
林業振興課は、「内装でも単純に腰板を張るだけでなく、デザイン性を持たせている。このため、設計費を予算化して、設計を進める中で具体化している。木質化する箇所については一般開放されていて、一番人目に付く場所を選んでいく」としている。
県では、10年近く前から庁内の木材需要拡大会議で利用促進の協議を行っている。それに基づく方針として、11年度からの5カ年を期間とする「”ふじのくに”公共建築物等木使い推進プラン」を策定し、@構造の木造化A木造と非木造の混構造の採用B内装などの木質化−に取り組んでいる。
また、これまでの県産材利用の実績を「しずおかの木をつかう」と題した事例集にまとめている。建築物、工作物、土木施設に分けて、事例を示すことで今後の拡大を促進する。
(2013/7/17)
建通新聞社 静岡支社