日本工業経済新聞社(群馬)
2013/07/11
【群馬】国、県、群建協による意見交換会が開催
発注者と受注者双方が抱える諸課題の改善を目指し、毎年行われている国土交通省関東地方整備局、県県土整備部、群馬県建設業協会との意見交換会が11日、前橋市内の群馬県市町村会館で開催された。協会側からは公共工事設計労務単価のさらなる引き上げ、若手建設技術者の入職を促す企業経営の安定と建設需要の確かな見通しなどを求める声が挙がった。さらに、同協会の青柳剛会長は「受注者側が国の発注業務を評価する仕組みづくりを本年度検討したい」との意向を示した。
この意見交換会は発注者と受注者双方が抱える諸課題の改善に向け、国土交通省関東地方整備局、県県土整備部、群馬県建設業協会の3者が率直な意見を交わす場。毎年この時期に開催されており、関東地方整備局からは森北佳明局長、県県土整備部からは笹森秀樹部長、同協会からは青柳会長らが出席したほか、各機関の幹部らも臨席した。
冒頭、あいさつに立った森北局長は「きょうの意見交換が建設産業の将来を見据えた有意義なものとなるよう期待する」と述べ、笹森部長も「皆さまとの意見交換を建設行政に生かしていく考え。本日は忌憚のない意見を」と呼びかけた。青柳会長は「業界の実情を問いかける貴重な場」と期待した。
その後、同協会が毎年実施している『直轄工事の採算性に関するアンケート』、さらには5月に実施した『公共工事設計労務単価の引き上げなどに関するアンケート』を基に意見交換がスタート。
直轄工事の採算性に関するアンケートの結果が説明されたのち、協会からは◇分任官契約範囲の見直し◇受注後の速やかな着工◇建築工事における単価の引き上げ−の3点を求めた。
他方、全国平均で15%程度上昇した設計労務単価に対し、協会からは新単価の工事と4月以前の旧単価による工事が混在していることを踏まえ、2014年度の設計労務単価にあたっては新単価が完全波及してからの改訂を強く求めたほか、若年技術者の入職を促すためのさらなる単価の引き上げ、新規雇用を行うための建設需要の確かな見通し、土木施工管理技士などの受験資格要件の緩和などを要望した。
意見交換を終え、森北局長は「きょうの議論では安定的、継続的な受注量の確保がもっとも大事だと受け取った。補正による予算確保ではなく、当初予算でしっかりと措置することが重要。10年先を見通せる受注量が経営の安定、技術者確保には大切だと改めて認識させられた。われわれとしても必要なことはしっかりと実施していく考え」と総括した。