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建通新聞社四国
2013/07/05

【香川】老朽ため池170カ所を全面改修

 香川県は、大規模ため池耐震化整備の推進や、中小規模ため池の防災対策促進を新たに盛り込んだ「老朽ため池整備促進計画(第10次5カ年計画)」を策定した。1〜9次5カ年計画(1968年度〜2012年度)までに貯水量5万立方b以上の老朽ため池改修が完了していることを踏まえ、10次5計では5万立方b未満の中小規模のため池を中心に整備する。12年度の現地調査で老朽ため池と診断された1260カ所のうち、全面改修が必要なA判定のため池170カ所を5カ年で改修。また、老朽度B判定の819カ所のうち、堤体、取水施設や洪水吐のいずれかが老朽度A判定のため池を対象に、200カ所の部分改修を行う考えだ。
 12年度に改良区を含む県、市町による老朽ため池診断の合同現地調査を踏まえて、13年度から17年度まで5カ年の老朽ため池整備の目標や整備基本方針をまとめた。同計画での整備や防災対策の実施で、17年度の整備率は中規模ため池で43・8%になり9次5計に比べ2・3ポイント引き上がる。内訳は10万立方b〜5万立方b100%(9次100%)、5万立方b〜5000立方bで69・6%(9次比1・9ポイント増)、5000立方b〜1000立方b28%(9次比1・1ポイント増)。
 10次5計の策定に当たり、12年度の現地調査で老朽ため池と診断された、ため池数は1260カ所。この改修に必要な事業費は430億6500万円。
 このうち堤体、取水施設や洪水吐の老朽が著しく危険性の高い「老朽度A判定」は中小規模170カ所、改修に必要な事業費は92億0400万円。堤体、取水施設、洪水吐の一部に老朽化が進行し、部分改修で長寿命化できる「B判定」のため池は大、中小規模合わせて819カ所、244億5800万円。経過を見つつ、危険な状態になれば対応するA、B以外の「C判定」は大、中小規模合わせて271カ所、94億0300万円―の内訳(表参照)。
 また東日本大震災を教訓に、今後の南海トラフ大地震に備えて、より大きな地震にも対応できるよう、老朽ため池改修としては完了済みの大規模ため池(10万立方b以上)199カ所のうち137カ所で13年度に耐震診断を実施する。補強工事が必要と推計された67カ所の整備を、今回新たに10次5計に盛り込んだ。
 県では現在、137カ所のため池で耐震診断を実施しており、13年度末までに耐震補強が必要なため池箇所を確定する。このため耐震補強工事は14年度から17年度までの4カ年で行う。
 また、中小規模ため池の実態を踏まえて、貯水量5000立方b未満で総合判定Bのため池565カ所のうち、125カ所を部分改修し、推計100カ所で防災対策を促進することも10次5計に盛り込んだ。5カ年で防災対策を行うため池数も今後、精査する。
 中小規模ため池のうち5000立方b未満は、管理放棄など保全管理できていない実態があり、地元と合意形成を図りつつ、貯水機能の停止や低減による廃止と保全に分けた、ため池整備を県が支援する。