日本工業経済新聞社(群馬)
2013/07/04
【群馬】教育施設長寿命化計画策定 前橋市
前橋市はこのほど、本年度から2022年度までの10年で進める教育施設長寿命化計画を公表した。この計画は市が進めている「各施設整備計画」のうち長寿命型改善事業という位置付けで着手、今後10年間で186・6億円を投入する。また、同事業の大枠である「各施設整備計画」では修繕、小改修、長寿命型改善事業、改築の4つの区分に分けて年度別の計画スケジュールを示しており、これらの合計は449・5億円とし、このうち改築へは205・9億円の投資見込みを示している。
「各施設整備計画」に位置付けられた施設は図書館、生涯学習センター、青少年教育施設、公民館、文化財施設、社会体育館施設、学校、共同調理場(合計319棟)とし、今後10年の4区分別(修繕・小改修・長寿命型改善事業・改築)の合計歳出見込みは修繕が28億円、小改修が29億円、長寿命型改善事業が186・6億円、改築が205・9億円で合計事業費は449・5億円と算出した。
このうち、長寿命型改善事業は屋上防水、外壁改修、配管取替、設備機器改修などの事業内容で、重点的に屋上防水と大規模改造を実施する。屋上防水の実施棟数は今後10年で61棟へ5億円を計画しており、大規模改造は99棟へ181・6億円を試算した。
また、改築では41棟へ205・9億円の投資額を示している。
ここで計画に位置付けられた全319棟の内訳をみると、学校棟数が全体のうち228棟と87・1%を占めている。ここでさらに「各施設整備計画」のうちの1つである「学校施設整備計画」に焦点を当てると、修繕・小改修・長寿命型改善事業・増改築の4区分の合計は172棟で事業費391・5億円を歳出見通しとし、全体を集計した「各施設整備計画」の449・5億円のうち、多くを占めているのが学校関連によるものとなっている。
「学校施設整備計画」の区分別および年度別の詳細だが、修繕は今後10年で各年度ごと2億円で合計20億円と算出。小改修も同様に各年度2・5億円とし25億円と算出した。長寿命型改善事業は屋上防水を計53棟とし3・5億円を試算。また、大規模改造は82棟で150億円と計画した。増改築では37棟で193億円と算出した。増改築は校舎、体育館、プール別にそれぞれ計画を示しており、校舎は計16棟へ142・6億円、体育館は11棟へ38・4億円、プールは10棟へ12億円を試算している。学校の整備計画の考え方としては、14年度までに耐震改修事業を最優先に校舎や体育館の耐震補強・大規模改造を進め、15年度以降は屋根防水や大規模改造を主とする長寿命型改善事業を重点に取り組み、建て替え時期が集中するのを避ける。
学校以外の施設整備の考え方では、共同調理場は設備の耐用年数を1つの建て替え目安とする考えを示した。また、スポーツ施設では各施設の位置付けや役割を明確にした効果的な改修を検討し、環境負荷低減のため太陽光発電の導入も検討していく方針。公民館の整備では現有施設の使用年数を延ばし、建て替える回数を減らす考えで、このほか、図書館は大規模改造または建て替えといった方向性を検討する必要があるとしている。