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日本工業経済新聞社(群馬)
2013/07/01

【群馬】(国)利根砂防、本年度全体事業費は43・5億円

 国土交通省利根川水系砂防事務所(神野忠広所長)は、本年度の事業概要を公表した。本年度当初予算分の全体事業費は43億5700万円で前年度比8%増となった。浅間山火山砂防事業で3渓流に設置する砂防堰堤の詳細設計に入るほか、中之条町入山地先の金山沢で新規砂防事業を開始する。

 内訳を見ると砂防事業費は直轄砂防事業費10億3300万円、直轄火山砂防事業費16億5400万円を合計し26億8700万円(対前年度比14%減)、譲原が対象となる地すべり対策事業費3億5800万円(同75%増)、浅間山直轄火山砂防事業費13億1200万円(同93%増)となっている。
 昨年度の大型補正における事業費繰越分は約10億円で、そのうち工事費は7億5000万円であり該当工事はすべて発注済みとなっている。
 2年目となる浅間山直轄火山砂防では、群馬県側の片蓋川と濁沢、長野県側の蛇堀川で砂防堰堤の詳細設計に着手する。来年度から関係機関と協議を行っていくほか、用地買収を進めることになり長野県側では国有林も対象となる。また両県では昨年度に引き続き根固めブロック3500個ずつの製作を行っていく。同事業は2026年度の事業完了を予定し、総事業費約250億円を見込む。火砕流発生に備え、緊急減災用のコンクリートブロックなどを備蓄配備するほか、砂防堰堤、導流堤、監視・観測機器などを整備。
 藤岡市の譲原地すべり対策では、下久保地区の集水井工1基を発注する。
 通常砂防事業を見ると、新規の金山沢砂防は砂防堰堤2基の整備を計画し、詳細設計業務と用地調査を委託する。河床勾配が級である渓流で土砂流出が発生、小倉・長平地区の集落と主要地方道中之条草津線を保全し集落の孤立化を防ぐ。
 片品村の越本床固群では太田橋下流の第4工区の進捗を図り、工事発注は護岸工L100mと護岸かさ上げ工L100mに加え、用地交渉の進捗次第で第3床固工も行う。第4工区では来年度以降、同床固工下流の護岸工L250mを2〜3カ年で完成させる。未着手の第3工区は実施するか今後検討する。
 嬬恋村を流れる吾妻川の田代床固群整備事業は、本年度で概成。田代橋の左岸側橋台と上部工、同橋梁上下流の護岸工L80mを予定する。同橋梁は橋長23・5m、W6mのHBBC単純合成桁橋。
 長野原町大津地先の遅沢川床固群整備事業は本年度、第4床固工(堤高6・6m、堤長38m)と護岸工L40mを実施する。鹿生橋(L17・5m)の架け替え工事は来年度着手を見込む。
 高崎市で進める滑川床固群整備事業は本年度、まず清水橋上部工と帯工1基、護岸工L50mを一括で発注予定。さらに上流部では第24帯工と第27床固工の間で進めていた用地関連が完了し、第26帯工と第26床固工、第25帯工、護岸工L170mも発注する。