トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(静岡)
2013/07/01

【静岡】県 地震・津波対策アクションプログラム公表

 静岡県は、第4次地震被害想定(第1次報告)と、これに基づく「地震・津波対策アクションプログラム2013」を明らかにした。アクションプログラムは、レベル1の地震・津波に対応した151の重点施策を掲げ、具体の取り組みの数値目標・達成時期を明記。津波対策では、防潮堤の嵩上げ、粘り強く減災効果を発揮する構造への改良、静岡モデルの推進などを盛り込んだ。6月27日の県防災会議で県が報告。川勝平太県知事は、「アクションプログラムは直ちに実行に移していく」として、6月議会で補正予算を組む方針を示した。
 アクションプログラムは、「減災」を基本理念として「命、生活を守り、復旧・復興を成し遂げる」ための施策として、建築物等の耐震化など11項目を挙げた。計画期間は13年度から22年度までの10年間。
 重点施策のうち津波対策施設の整備では、防潮堤など津波防御施設の整備を進め、「10年間でレベル1の津波による人的被害を8割減少させる」ことを目指す。このため、海岸対策はレベル1の津波に対して施設高が不足する117・1`の約60%に当たる68`で施設の嵩上げ(築堤盛土工、表法面被覆工)を行う。耐震化(地盤改良工)が必要な海岸堤防(116・3`)では69・6`を対象に液状化対策など、粘り強い構造への改良(裏法面被覆工、天端保護工、法尻基礎工の改良など)が必要な海岸堤防(158・8`)では79・5`で整備を行う。
 河川の河口部における津波対策施設整備では、レベル1の津波に対して施設高が不足する67河川のうち、38河川で施設の嵩上げ(10河川)・水門の設置、改良(28河川)を行う。耐震化が必要な河川堤防(6河川)のうち4河川で液状化対策など、粘り強い構造への改良が必要な河川堤防(30河川)のうち10河川で整備を行う。
 また、「静岡モデル」の推進では、地域住民の合意など条件が整った地域で、既存の防災林、砂丘、道路の嵩上げ・補強を実施し、安全度の向上を図る。このため、整備に向けた沿岸の21市町で検討会の設置を進めるとしている。
 第1次地震被害想定(第1次報告)の対象地震は、「駿河トラフ・南海トラフ沿いで発生する地震」のレベル1が東海地震、東海・東南海地震、東海・東南海・南海地震(マグニチュード8〜8・7)、レベル2が南海トラフ巨大地震(マグニチュード9程度)を想定。県は、今秋にも行う予定の第2次報告でライフライン、経済などの被害想定を明らかにする方針。
(2013/7/2)

建通新聞社 静岡支社