建通新聞社四国
2013/06/21
【徳島】海岸保全基本計画を改定へ
徳島県は、2013年度に県海岸保全基本計画などの改定作業に着手する。ことし3月の設計津波(L1津波)の水位設定(別表)に伴い、南海トラフ巨大地震を迎え撃つ事前防災・減災対策を講じるため、同計画を見直すことにした。順調なら7月にも業務を外注、地元市町などとの協議を並行させ、年度末までに海岸保全施設などの整備内容を定めることにしている。
同計画は讃岐阿波、紀伊水道西、海部灘の各水道ごとに、防護と環境、利用の視点で沿岸の整備計画をまとめたもの。防護の点では、これまで津波対策よりも高潮対策に重点が置かれていたが、東日本大震災を受けて、大規模な津波対策も念頭に計画を見なすことにした。L1津波は最大クラス(1000年に一度級)のL2津波に比べ発生頻度が高い津波とされ、今回の海岸保全施設などの整備を行う上で、津波高の基準となる津波。L1津波高が示されたことで本格的に改定作業に移行することになった。
具体的な作業は今後になるが、このL1津波に対して段階ごとに整備計画をまとめる考え。まず地域海岸ごとの県民の避難時間の確保を前提にした堤防の嵩上げや液状化対策など必要な施設整備を図るための計画づくりを進める。次いで実際にL1津波の水位に対する堤防高が不足する箇所の嵩上げを図るための計画づくりを進めることにしている。
業務は県土整備部の3水道所管の各出先事務所で発注する見通し。また、河川整備計画の見直しも対象にしており、6月補正予算案にはこれら事業費として6100万円を計上している。