北海道建設新聞社
2013/06/19
【北海道】名寄市民ホールの入札が1JV辞退で再び中止−1カ月以上の遅れ確実
名寄市は、再公告していた仮称・市民ホール主体工事の入札を中止した。18日に開札予定だったが参加資格が決定していた2共同体のうち1共同体が入札を辞退した。市はあらためて公告する考えだが、辞退理由を探り、今後の入札方針を決めるため、ほかの市町村の対応状況などを調査する。入札が1カ月以上遅れるのは確実で、2度にわたる中止により、当初の2014年8月の完成は難しい状況になった。
市は4月25日に主体を特定共同体対象の一般競争で公告した。代表者は道外のゼネコンを想定し、条件に経審の総合評定値で建築1500点以上と設定。5月15日に参加申請を締め切ったが、応募者がいなかった。
同25日には、予定価格は変更せず、代表者の総合評定値を1200点以上とし、道内の大手ゼネコンが参入できるよう対象範囲を広げて再公告した。参加申請期限までに2共同体が応募したが、このうち1共同体が6月17日に辞退届を提出。応札1者の場合は執行しないと規定しているため中止を決めた。
関連する電気設備、空調換気設備、給排水設備、舞台機構、舞台照明、舞台音響の入札は延期する。
市は「辞退した理由を把握していない。原因を見極めるために時間をかけざるを得ない」と、再々公告まで時間を要することを示唆する。入札を辞退した共同体への調査については「聞き取り方によっては次の入札に有利になる可能性があるため、慎重に検討したい」と話す。
予定価格は税込み11億386万5000円を設定していた。市は「資材は最新の市場価格、労務単価は新単価を採用している」と積算に問題はなかったことを強調する。
一方で業界からは、予定価格と業者の見積もりの開きを指摘する声がある。道内大手の建設業者は「以前なら安くても入札する業者がいただろうが、今は東北に人が流れ職人が少なく、北海道の単価では間に合わない状況。市が提示した金額では対応しきれなくなったのでは」と推測する。