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建通新聞社(神奈川)
2013/06/18

【神奈川】関東地整 「低入札の発生率が1%切る」 落札率も90・0%前後で推移 〜調査基準価格の見直しでさらに改善の見込み〜

 国土交通省関東地方整備局のまとめによると、2012年度(1月末時点)の同局発注工事のうち、低入札の発生割合は0・9%で1%切った。2005年度のピーク時(14・0%)と比べ大幅に減少した。06年にいわゆるダンピング対策を打ち出して以降、年々その割合が減っている。落札率も12年度は90・9%となり、07年度以降、90・0%前後で推移。関東地整では、「調査基準価格の算定方式の見直しや、施工体制評価型の入札契約方式の導入などが背景にある」とみている。さらに、13年5月16日以降に入札公告する案件からは低入札調査基準価格の算定率をさらに引き上げた。これによって、低入札調査基準価格は2%程度上昇するとみられる。同局の担当者は、「従来の積算を基に、ぎりぎりのラインで入札すると低入札になる」としている。
 12年度(1月末時点)の一般競争入札による契約件数は1072件で契約金額は2246億9700万円。このうちの0・9%が低入札だった。
 過去11年間の低入札の発状況をみると、05年度が14・0%で最も高い。ダンピング対策以降、06年度が5・7%、07年度が6・1%、08年度が8・7%、09年度が5・7%、10年度が2・5%、11年度が2・5%と年々減少。12年度(1月時点)は0・9%とさらに減少した。その背景には、06年度の「緊急公共工事品質確保対策」(ダンピング対策、06年12月8日通知)がある。
 対策の一つ、施工体制確認型の総合評価方式は、施工体制が確実に確保できるかを審査要素に加味する方法。関東地整では、1000万円以上の原則全工種を対象としており、技術評価点の一部に施工体制の評価を加える(技術評価点=標準点+加算点+施工体制評価点)。
 同時に、落札率も05年度の87・0%を底として、06年度から上昇に転じた。07年度以降は90・0%程度で推移している。具体的には、06年度89・4%、07年度90・0%、08年度89・7%、09年度89・4%、10年度90・5%、11年度90・5%、12年度(1月末時点)90・9%。
 こうした落札率の上昇は、低入札調査基準価格の算定方式の見直しの時期ともリンクしている。現場管理費の算定率の引き上げ措置(09年・60%→70%、11年・70%→80%)に伴い、落札率も徐々に改善した。
 13年度は、5月16日以降の入札公告の工事案件を対象に、低入札調査基準価格の算定方法をさらに見直し、「一般管理費等」の算定率を0・3から0・55に引き上げた。関東地整では、「全ての案件に当てはまるわけではない」としながらも、「おおむね従来の86%から2%程度、低入札調査基準価格率を押し上げる」とみている。
 現在の低入札調査基準価格の算定率の計算式は次の通り。
■13年5月16日以降
【範囲】
 予定価格の7・0/10〜9・0/10
【計算式】
 ▽直接工事費×0・95▽共通仮設費×0・90▽現場管理費×0・80▽一般管理費等×0・55(11年4月〜0・30)
 各合計額×1・05
※計算式で算出した額が「範囲」を上回った(下回った)場合は、上限(下限)値で設定