日本工業経済新聞社(群馬)
2013/06/17
【群馬】水道施設の耐震化策定 伊勢崎市
伊勢崎市はこのほど、「伊勢崎市水道施設耐震化計画」の策定内容を公表した。計画実現に向けては長い年月にわたっての事業実施が必然となるため、短期、中期、長期に分けて目標と整備計画を設定。短期目標に掲げた中でも緊急性の高いものから順次実施していくとしたほか、耐震化率推移グラフで今後の耐震化率推移も示した。
伊勢崎市水道施設耐震化計画は、厚生労働省が策定した水道の耐震化計画等策定指針に基づき、地震の際に水道が最低限保有すべき機能を確保するため計画を策定。耐震化の目標として、応急復旧期間は可能な限り最長4週間以内とし、応急給水は地震発生から約1カ月以内に被災前給水量である約250リットル/人・日とし、市民の水運搬距離はなしという目標設定にした。
これを実現するため「構造物・管路の耐震化」と「影響の最小化」の大枠で計画を構成し、施設の耐震診断および耐震補強、石綿セメント管、普通鋳鉄管、導水管・送水管、避難場所や病院への重要路線化の管路などを更新または耐震管などへ布設替える。
短期・中期・長期と事業期間を分け、それぞれに目標と各整備計画内容を定めた。これらを達成した場合の耐震化率の推移計画では「浄水施設耐震化率」「配水池耐震施設率」「基幹・重要管路の耐震化率」の3種類で進捗計画を示し、短期(2013年度〜17年度)では重要管路の耐震化率を現状62・8%から65・3%へ、配水池の耐震施設率は現状7・8%から16・9%へ上げる見通し。
中期(18年度〜22年度)は、浄水施設耐震化率を現状52・8%から93・9%へ、配水池耐震施設率は短期65・3%から79・7%へ、基幹・重要管路の耐震化率は短期16・9%から32・6%へ引き上げる予定。その後は長期となり23年度以降に耐震化率が100%となるよう取り組んでいく計画だ。
短期整備計画内容で主なものは、全地区での石綿管更新L8061mや漏水対策となる老朽管更新L1万4118m、竜宮浄水場系の耐震化更新をはじめ、竜宮・広瀬・境下武士浄水場の深井戸改修や掘り替え、導水管耐震化、電気計装設備改良、あずま地区での配水管橋梁添架など。
中期整備計画では、全地区の老朽管更新L2765mのほか、竜宮・広瀬・境下武士浄水場系の耐震化更新が始まる。また、浄水場の着水井やポンプ井など施設の耐震補強や深井戸の掘り替え、非常用給水で利用する水源地の耐震化などが盛り込まれている。
長期整備計画になると、漏水対策の老朽管更新がL39万2456mとなり、9つの浄水・配水場系で耐震化更新を進めていくこととなる。このほかは深井戸の掘り替えが数多く見られ、中期と同様に施設耐震化などが順次整備されていくこととなる。