日本工業経済新聞社(茨城)
2013/06/15
【茨城】北茨城市 磯原地区にも災害公営住宅
北茨城市で中郷、平潟、大津の3地区に続いて、磯原地区にも災害公営住宅が建設されることが、このほど明らかになった。市は今月2日に住民説明会、9日に個別相談会を実施して概要を説明した。場所は磯原駅西地区付近を想定。規模は集団移転の人数などが確定していないため未定。市は、今後、住民へ集団移転への意向を確認した後、土地利用計画の検討や復興の方針を決め、8月ごろから設計に着手し、来年4月ごろから工事に入りたい考えだ。来秋の入居を見込んでいる。また周辺では、10月ごろから個人住宅向けの土地分譲や住宅建設が始まるもようだ。
<本文> 市では、震災で被災した住宅再建の支援として、市で住宅を提供する災害公営住宅整備と、集団でまとまって移転する防災集団移転促進事業を計画。大津、平潟、中郷の3地区で災害公営住宅整備が先行し、来年2月をめどに住戸建設が進められている。
これに続いて磯原地区でも災害公営住宅の建設を計画。ただ、どのくらいの住民が集団移転を希望しているか分からないことから、防災集団移転促進事業を先行。
ことし1月には集団移転を進めるにあたり、津波の被害者を対象に、市の担当と調査協力会社のランドブレイン梶i東京都千代田区)により移転意向確認の聞き取り調査を実施。その結果、磯原地区では32%が移転を希望。そのうち対象区域案の天妃山付近では71%が移転を希望していることが分かった。
この意向の傾向や地域的な分布を参考に、各地区の復興の方針を検討。6月2日には今後の住まいに関する住民説明会が開かれ、各地区の復興の方針について話し合いの場が持たれた。
市が示す移転先の候補地は磯原駅西地区付近。この場所に災害公営住宅の建設や、戸建て再建が検討されている。
市では、住民からおおむね了承が得られたと判断し、集団移転への参加意向の確認や土地利用計画、復興の方針を定める作業を進めている。
7月には国に事業計画を申請し、認定、事業着手を目指す。また戸建ての住宅建設を見込む住民向けに土地の斡旋などを行う予定。順調に進めば10月ごろから土地の分譲や住宅建設が始まる予定だ。
一方、災害公営住宅は8月ごろに設計作業に入りたい考え。この設計がまとまり次第、来年4月ごろから住宅建設工事に着手し、来秋の入居を目指していく。なお設計費は本年度当初予算で計上されていないことから、8月までに追加補正で対応するもようだ。