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日本工業経済新聞社(群馬)
2013/06/14

【群馬】県が調査基準価格などの算定式改正

 総務省と国土交通省からの要請を受け、県契約検査課が14日付けで県土整備部や環境森林部、農政部などの建設工事発注所属長へ低入札調査基準価格および最低制限価格の算定式を見直すよう通知したことが分かった。中央公契連が5月16日に改正した内容と同様、一般管理費等の掛け率を現行の『0・30』から『0・55』へと引き上げる。施行は7月1日で、この日以降に公告または指名通知する工事が対象。同課の試算では土木一式工事で従前より3%程度上昇する見通し。

 県では、公共調達にかかる低入札調査基準価格および最低制限価格の算定について『平成23年中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデル』、いわゆる『H23公契連モデル』を昨年4月1日から施行していたが、本年5月16日付けの中央公契連モデルの改正とともに、総務省および国土交通省からの見直し要請を踏まえ、ダンピング受注の排除から改正に踏み切ったところ。
 一方、建設コンサルが受注する業務委託については、現行の算定基準を引き続き適用していく。
 改正内容は中央公契連と同様、算定式の一般管理費等の掛け率を現行の『0・30』から『0・55』へと引き上げ、建設企業の本店・支店および営業所における法定福利費や光熱費、社員給与、退職金など企業活動に必要不可欠な費用を確保する。
 施行は7月1日で、その日以降に一般競争入札であれば公告する建設工事、指名競争入札であれば指名通知する建設工事から新たな算定式が適用されることとなる。適用部局は建設工事の入札を執行する県土整備部、環境森林部、農政部などの知事部局。このほか、本紙が教育委員会、企業局へ問い合わせたところ、知事部局の改正内容に歩調を合わせる方針だという。
 今回の改正に先立ち、同課が新たな算定式で設計金額1000万円以上1億円未満の土木一式工事でシミュレートしたところ、低入札調査基準価格などが予定価格の87〜88%となり、H23公契連モデルによる算定率と比べて3%程度上昇したという。
 同課の島田和也課長は、本紙の取材に対し「今回の改正は品質の確保はもとより、企業の経営体質の適正化を主眼としたものである。改正後は適正適格な競争のもと、企業の雇用環境の改善、技術者の育成へと向かっていただければ」と話している。
 なお、同課が所属する県土整備部における昨年度の低入札調査基準価格と最低制限価格の適用状況をみると、契約工事件数(競争入札)2270件のうち、低入札調査基準価格は157件、最低制限価格は2091件でそれぞれ適用。適用率は99・0%だった。