農林水産省両総農業水利事業所が1993年度から進めていた国営かんがい排水事業の両総地区は、本年度で事業が完了となる見通し。事業最終年度の本年度は、事業費29億円(受託費込額35億6400万円)を投入し、栗山川統合機場の除塵機製作据付工事や管理施設製作据付工事、大須賀川排水路工事などを実施する。
来年度以降は、土地改良区などが施設の維持管理を行うとともに県営事業など末端事業の整備を進める。末端事業の整備では、県長生農業事務所が09年度からかんがい排水事業の両総茂原南地区に着工するとともに、県山武農業事務所が本年度から新たに南条支線地区(匝瑳市、山武郡横芝光町)に着手する。
先月30日に開催された両総用水事業推進協議会(東金市東金1163、会長・志賀温直東金市長)の2013年度総会では、国営両総地区の本年度工事実施計画についての説明があった。それによると、国営事業の事業費ベースによる進ちょく率は全体事業費1080億円に対し、12年度までに1036億8100万円(受託費込額1050億7200万円)を投入し、進捗率は96・0%。
同事業は、県東部の利根川沿岸、栗山川沿岸及び九十九里沿岸までの香取市外6市7町1村にまたがる水田約1800haを対象に、排水不良の解消を目的としたかんがい排水事業を実施している。
同地区の農業用用水施設は、国営土地改良事業「両総用水地区」等により1943年から65年にかけて建設されたが、完成から40年以上を経過し老朽化が進行している。このため施設の改修等を行い、農業用水の安定供給等を図ることにした。主要工事は揚水機場5か所、頭首工1か所、用水路89q等の改修・新設など。
なお、本工事は本年度内に完了となるものの、施設等の状況を見ながら一部必要な補修工事等があれば14年度まで事業を延長することも検討している。