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建通新聞社四国
2013/06/11

【徳島】県企業局が新たな経営計画の素案

 新たな経営計画の策定(2013〜16年度)を進めている徳島県企業局は、6日に県庁で開かれた第3回戦略的経営推進委員会でその素案を示した。前回3月の委員会で議論した骨子案に4年間の具体的な実行内容を示す行動計画シートを盛り込んだものになっており、南海トラフ巨大地震対策では、坂州発電所建て替えに15年度から着手するほか、新エネルギーへの取り組みでは、マリンピア沖洲と和田島でのメガソーラーの建設に続き、14年度に川口ダムの太陽光発電設備設置、さらには潮流発電の基礎調査に13年度から着手するなど、計画的な新エネルギーの導入拡大を図ることにしている。素案は委員会での議論を踏まえ整理され、10月の計画策定に向け、7月からパブリックコメントを実施する考え。
 新経営計画は、東日本大震災後の経営環境の変化や局事業(電気・工水・土地造成・駐車場)の直面する南海トラフの巨大地震への備えや再生可能エネルギーの普及拡大などの諸課題に対応するため、現行計画を前倒しして見直すもの。現行計画の評価などを踏まえ、新たな経営目標とその経営戦略、必要な取り組み事項などの行動計画(事業計画)を示していく。
 新たな経営目標では@安価で良質、安全・安心なサービスの提供A経営資源を活用した経営基盤の強化B環境保全をはじめとした社会貢献の推進―の3つの柱を掲げる。また、「県民等ニーズ」「経営環境の把握力・対応力強化」「企業局の強みの活用と強化」「コスト縮減と資金の戦略的活用」「新しい価値創造の挑戦」「危機管理対応力の強化」の5つの経営戦略で20項目の事業に当たる。
 このうちハード面の主な項目として、南海トラフの巨大地震対策、老朽化対策では、電気事業で川口ダムゲートなどの耐震化、工業用水道事業で施設の老朽化対策や水管橋の耐震化や管路の更新・耐震化など。このほか、適正な施設の維持管理(電気・工水・駐車場事業の設備更新、修繕10カ年計画の策定)、資産等の有効活用(土地造成事業の未分譲地の早期分譲とそれが見込めない場合のメガソーラー建設の検討)などを盛り込んでいる。
 今回示された素案のうち、行動計画シートについては、委員から取り組み事項が多すぎる点や達成目標が分かりにくいなどの指摘、さらにはもっと具体的な行動内容の明記や達成度をチェックする仕組みづくりも必要―などの意見があった。県は今後、下旬の議会報告までに素案を整理し、7月のパブリックコメントに備える。8月開催の第4回委員会で同計画案をまとめることにしている。
 行動計画シート(素案)のうち、ハード面の主な行動計画については次の通り。
 ▽南海トラフ巨大地震、老朽化対策(21年度100%完了)―坂州発電所建替(15〜16年度)、坂州発電所擁壁耐震化(15〜16年度)、日野谷発電所擁壁耐震化(14〜15年度)、川口ダム管理所擁壁耐震化(14〜15年度)、川口ダム洪水吐ゲート耐震化(15〜21年度)、勝浦発電所水圧鉄管耐震化(14〜15年度)、長岸横過トンネル(13年度)、撫養川水管橋耐震(16〜21年度)、吉野川北岸工業用水道・阿南工業用水道工業用水路更新(14〜21年度)
 ▽工事費、維持管理費等のコスト縮減(21年度に12年度比10%削減)―施設の予防保全・長寿命化、長期工事計画の2年ごとの見直しなど
 ▽新規事業への取り組み(新エネ設備の導入件数を12年度4件から16年度8件に拡大)―マリンピア沖洲・和田島メガソーラー建設(13年度)、潮流発電調査(13年度)、川口ダム太陽光発電設備設置(14年度)