静岡県は、2013年度からおおむね10年間の道路ビジョンを示した「ふじのくにの”みちづくり”」の素案をまとめた。基本理念は「東海道新時代を拓(ひら)く ふじのくにの”みちづくり”」。このうち、道路重点計画では、「南北幹線道路の供用率」を17年度53・9%に引き上げるなど13指標を設定した。
県内では、新東名高速道路の開通や大規模地震に対する防災・減災対策、道路施設の老朽化など道路を取り巻く環境が大きく変化してきている。このため、新しい道路計画は、@命と暮らしを守るA地域の自立の実現B豊かさの実現−を柱に、災害に強い道づくりなど5施策の方向を示した。また、今後の道路予算の推移や維持・更新費用の増加を見通して、必要な道路の整備と効率的な維持・管理(保全・活用)を進める「道路マネジメント」の考え方を積極的に取り入れている。
さらに10年間の道路ビジョンの方向に沿って、5年間の具体的な施策と目標(数値)を道路重点計画として示した。
「命と暮らしを守る」では、災害に強い道として高規格幹線道路の未整備区間解消、橋梁の耐震対策、法面の防災対策を挙げた。身近な道路環境では、歩道整備、自転車走行環境整備などの交通安全対策。道路の維持管理では長寿命化の推進に重点を置いた。
「地域の自立実現」では、高規格幹線道路のアクセス道路整備、スマートICの整備、すれ違い困難箇所解消を盛り込んだ。
「豊かさの実現」では、わかりやすい道路案内標識の整備、無電柱化の推進、低騒音舗装の施工などを挙げた。
県は、24日まで素案に対する意見を募集し、7月末までに計画をまとめる。
道づくりの主な数値目標は次の通り(@17年度目標値A12年度時点の割合)
▽高規格幹線道路の供用率−@82・1%A77・3%▽南北幹線道路の供用率−@53・9%A40・2%▽管理上重要な橋梁の耐震化率−@100%(※22年度目標値)A4割▽道路斜面の要対策箇所の対策率−@83・4%(※22年度目標値)A61・5%▽通学路の歩道整備率−@75%A71%▽主要な渋滞箇所の渋滞削減率−@約2割削減▽高速道路の平均IC間隔−@9・2`A11・6`▽幹線道路における無電柱化率−@22・7%A20・3%
(2013/6/7)
建通新聞社 静岡支社