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日本工業経済新聞社(茨城)
2013/06/06

【茨城】稲敷市 庁舎建設事業を再開 設計や解体に3・5億円

 稲敷市は、6月4日に開会した市議会定例会に補正予算案を提出した。主なものでは庁舎建設事業に3億5263万2000円を計上し、2011年度に中断した設計業務を再開するとともに、敷地内に残っている旧江戸崎西高施設の解体に着手する。このほかの補正予算案では、東地区における農業用施設災害復旧に3億4000万円、市道8路線の道路維持工事に8485万円、防犯灯のLED化工事に6496万9000円など。また庁舎整備に関連して、稲敷美浦連絡道路の新設に伴う実施設計に550万円を盛り込んだ。

 庁舎建設事業は、4町村合併に伴い計画。江戸崎西高跡地を利用し、新庁舎を建設するとともに特別教室棟を活用する予定だったが、東日本大震災の復旧を最優先とするため、11年度に基本設計を中断していた。
 今回は事業を再開するため、補正予算に事業費3億5263万2000円を計上。予算配分としては、基本設計に1432万円、実施設計に9555万円、解体工事に2億3310万円など。
 市は補正予算案が通り次第、活タ井建築設計事務所東京事務所(東京都千代田区)で基本設計を再開する。再開にあたっては、執行部と市議会による推進会議のようなものを設置し、事業の円滑な推進を図る。
 なお、東日本大震災で特別教室棟が被災したため、同棟を活用したリニューアル棟の整備は取りやめ、新庁舎のみを整備する。これまで策定した設計は活かしながら、リニューアル棟に持たせる予定だった機能を、新庁舎に追加していく見通し。
 また既存施設(普通教室棟、特別教室棟、体育館、プールなど)の解体も年度内に着手する。順調に進めば、年度内に設計と解体工事を完了。来年度から工事に着手し、16年度内の供用開始を目指す。
 土木関係では、市道の維持補修工事に8485万円を計上。@新利根2−11号線A新利根2−12号線B桜川1−4号線C桜川1014号線D桜川2670・1−15号線E東1552号線F東2−15号線−の7路線で舗装打ち換えなどを行うほか、新利根293号線で排水溝を設置する。
 また道路新設改良事業に550万円を計上。庁舎と同敷地内に建設する江戸崎・美浦の統合消防署整備に関連して、稲敷美浦連絡道路の実施設計に着手する。
 同線は、旧江戸崎西高跡から北西に走り、美浦村美駒の美浦トレーニングセンターまでの延長488mの2車線(片側歩道)で計画。統合消防署の供用開始予定である2015年度当初までには全線の供用を開始したい考え。
 防犯対策事業では、防犯灯をLED化するため、事業用備品に6703万2000円、補修工事に6496万9000円を計上。市がLED用の機器などを一括購入した上で、工事を発注し、市内の防犯灯7600基を取り替える。
 災害復旧費では、東日本大震災で被災した東地区のパイプラインや用排水路などの農業用施設災害復旧に3億4000万円を盛り込んだ。なお今議会に提出された報告案件では、昨年度予算のうち、農地災害復旧事業の1500万円、農業用施設災害復旧事業3億4000万円を事故繰越ししたことが報告されている。
 一般会計には10億5872万8000円を追加し、当初からの総額を209億4972万8000円とする。
 補正予算案の詳細は次のとおり。
 【総務費】
 ◆防犯対策事業
 ◇防犯灯台帳整備委託=31万5000円
 ◇防犯灯補修工事=6496万9000円
 ◇事業用備品=6703万2000円
 ◆庁舎建設事業
 ◇基本設計委託=1432万円
 ◇実施設計委託=9555万円
 ◇施工監理委託=600万円
 ◇アスベスト調査委託=300万円
 ◇解体工事=2億3310万円
 【衛生費】
 ◆再生可能エネルギー導入促進事業
 ◇住宅用太陽光発電システム設置=1000万円
 【土木費】
 ◆道路維持補修事業・道路維持工事=8485万円
 ◆道路新設改良事業・実施設計委託=550万円
 【災害復旧費】
 ◆農地災害復旧事業・土地改良区等施行事業負担金=1000万円
 ◆農業用施設災害復旧事業
 ◇過年発生災害復旧工事=3億4000万円
 ◇土地改良区等施行事業負担金=2000万円
 【古渡財産区特別会計】
 ◆財産区内集会施設整備補助=78万円