日本工業経済新聞社(群馬)
2013/06/05
【群馬】河川事業で堤防工 県伊勢崎土木
県伊勢崎土木事務所は本年度の河川事業で、本年度は韮川と利根川で河川改修および堤防強化工事を発注するほか、男井戸川では用地買収や試掘調査に着手する。韮川の河川事業では本年度計4件の工事発注を計画しており、このうち今月下旬から7月中に2件の護岸工が発注となる。このほかの2件は市道橋の架け替えをメーンとした工事内容で、1件は山王堰の撤去および山王橋の架け替えと護岸工L80m(橋梁部含む)。残る1件は今井橋の架け替えで橋梁部を含む整備延長はL30m程度を計画している。また、利根川の堤防強化は8月に発注する見通しだ。
韮川河川改修事業は計画延長L4200mを対象に、河川断面を現在の流量約15立方m/秒から、計画高水流量23〜56立方m/秒まで広げるもの。既存の河川断面が狭小なうえ、計画区間内には用水堰が3カ所備えられていることから、洪水時の氾らん防止を目的に整備を進めている。
本年度は4件の工事発注のうち今月下旬から7月中に護岸工2件(L140m・L150m)を発注する。このほかの2件は山王橋(市道橋)の撤去と、山王堰の撤去、護岸工を一括発注するほか、今井橋(市道橋)の架け替え工事を発注する。
護岸工L140mは主要地方道伊勢崎本庄線の上下流にあたる各一部区間。護岸工L150m部分は今井橋の上流側が対象となっている。
山王堰周辺の工事は堰の撤去、山王橋架け替え、護岸工をまとめて一括発注する。橋梁部分を含めた整備延長はL80mとなる見通し。山王橋のボックスカルバート橋は厚さ60pで内空幅W8・9m×H4・1mのものを現場打ちで施工する。
一方の今井橋もボックスカルバート橋で厚さは40pとしプレキャストコンクリートで整備する。内空W8m×H3・8mで、整備延長は同橋梁の取り付け上下流を含めL30m程度を見込んでいる。
利根川の堤防強化は、東毛広域幹線道路(仮称)利根川新橋の上流側L60m(右岸側)を対象に、堤防と天端の強化工事を8月に指名競争入札で発注する。
この工事は水量が洪水位に達した際、堤防への影響を最小限に留めようと現在の天端W3mをW4mまで大きくしコンクリート張りブロック護岸で流速5mに対応できる河川施設へと強化するもの。
男井戸川河川改修事業は、粕川との合流地点から上流側L600mの用地買収と、用地買収が完了した部分から埋蔵文化財調査の試掘に取りかかる。お盆前に設計の最終確定案を地元へ示し、了承を得たのちに用地買収へ移行する。
同事業は伊勢崎市豊城町地内にある調整池からL1・5q下流で合流する粕川までの河川断面を広げるもので、下流側L600mから整備工事を進める着手する。同区間は暖流河川である粕川の洪水が男井戸川へ逆流し、その影響を受ける区間のため完全バック堤とし、盛り土で河川高を粕川に合わせる。
また、同区間中には男井戸川と佐波新田用水路が交差している部分があり、河川改修により用水路が遮られるため用水路をサイホン水路として男井戸川の地下へ通す予定。現在は用水路が男井戸川の上部を通り、余水吐けで余分な用水が男井戸川に流れている状況となっている。