建通新聞社
2013/06/05
【大阪】阪大レーザー施設 ESCO改修で三機特定
大阪大学は、吹田キャンパス内にあるレーザーエネルギー学研究センター(吹田市山田丘2ノ6)のESCO改修に向け、事業者を三機工業(大阪市淀川区)に特定した。8月30日に正式に契約し、施設改修に向けた設計に着手。工事は2014年3月末までに完了させる。事業方式はギャランティード・セイビングス方式。
対象施設の規模は、鉄筋コンクリート造4階建て延べ1万5627平方b。1972年にレーザー爆縮の概念提案とともに、大阪大学工学部付属レーザー工学研究施設にレーザー材料部門を設置。その後、研究設備を増設しながら、2004年に大阪大学レーザーエネルギー学研究センターを発足。現在、同施設で新しいエネルギー・物質の創出・研究に取り組んでいる。
既存設備は激光XTT号、LFEXペタワットレーザー、ターゲットチャンバー、プラズマ計測器、ターゲットファクトリー、EUVデータベースレーザー、テラヘルツ発生装置、スーパーコンピューターなど。
事業者の選定に当たっては、熱回収チラーや高効率機器導入、二次側搬送系の最適化などの中央熱源システムに関する省エネルギー化の提案を評価。加えて、エネルギー消費量と二酸化炭素排出量をともに35%以上削減するという保証値を示したこと、更新計画に具体性・妥当性があり全体のバランスが良かったことなどを選定のポイントとした。
今回のESCO改修では、予備機を含め既存熱源全てを更新対象として、高効率熱源機器やフーリングシステム、BEMSの導入などを行う。
ギャランティード・セイビングス方式は、施設の所有者が省エネルギー改修に係る費用を負担するもので、ESCO事業者は所有者に対して、一定期間、省エネルギー効果を保証する。所有者は初期投資が必要になるが、後年度にはESCO事業者への支払いが一切なくなるため、省エネによる光熱水費の節減分は全て利益となる。