建通新聞社四国
2013/06/05
【香川】低入価格・最低制限価格引き上げ
香川県は、ダンピング受注の排除を目的に、一般競争入札の低入札調査基準価格と指名競争入札の最低制限価格を引き上げる。6月1日以降の入札公告と指名競争入札執行通知分の工事を対象に適用する。低入札調査基準価格の引き上げは、計算式の中で「一般管理費等」の参入率を30%から55%に引き上げるもの。国土交通省は直轄工事で5月16日入札公告分から新たな参入率を適用しており、県もこれを踏まえ低入札価格調査制度などを見直した。
県の低入札調査基準価格で、これまで@県の設計金額(直接工事費)の95%A同(共通仮設費)の90%B同(現場管理費)の80%C同(一般管理費)の30%―の合計金額としていた計算式のうち、一般管理費等の参入率を55%に引き上げた。
同価格は予定価格を100分の105で除した額の70〜90%の範囲で設定されており、一般管理費等の参入率を25%分上げることで調査基準価格もこれまでより引き上がる。また、計算式により算出した額が70%〜90%の範囲を上回った場合は上限の90%、下回った場合は下限値の70%にする、としている。
低入札調査基準価格の引き上げは、一般管理費等が55%以下に計上する工事で工事成績評点が低くなる傾向が直轄工事で見られ、国土交通省は5月16日入札公告分からこれまで参入率に含まれなかった企業の本社・支店の従業員給料手当などを「一般管理費等」に組み込み、55%とした。県もこれに倣った。県の一般競争入札の総合評価方式では、低入札価格調査基準価格を下回って応札した場合、開札日の翌日からマイナス60点が150日間にわたりつき、応札回数により点数が累積され、受注に極めて不利になる。
県は指名競争入札で運用している最低制限価格も算定方式は公表していないが、引き上げることにし、6月1日以降指名通知する工事に適用。低入札価格調査制度の見直しと併せ、ダンピング受注の排除を徹底していく考えだ。