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日本工業経済新聞社(茨城)
2013/05/30

【茨城】県議会が通学路安全確保調査特別委を設置

 通学路児童生徒の安全確保に関する調査特別委員会(小川一成委員長)の初会合が24日、県議会棟特別委員会室で開かれた。このなかで県関係部局は取組状況を説明。土木部は道路管理者(県)として対策が必要な284カ所のうち110カ所を対策済みとし、残る174カ所で歩道整備などを進めるとした。また警察本部では交通安全施設で対策が必要な392カ所のうち262カ所で整備を終え、本年度は78カ所で信号機設置などを進めつつ、残り52カ所への調整や検討を進める考えを示した。

 この委員会は、登下校中の児童の列に自動車が突っ込み死傷者が発生するという痛ましい事故を受け、通学児童生徒などを事故や事件の被害から守り、暮らしの中の安心と安全が一層高まるよう諸施策について調査するもの。
 調査項目は、安全確保体制のあり方、通学路などにおける安全な環境の整備、安全教育の充実、交通指導の強化および防犯対策、市町村との連携、地域の協力―。
 初会合では、調査方針や活動計画を決定した後、通学児童生徒の状況、過去に発生した事故の状況や原因などを執行部が説明。
 さらに合同点検の結果や現在の取組状況を関係部局がそれぞれ説明。
 そのうち教育庁は対策の実施状況として、緊急合同点検した2067カ所のうち対策が必要な1890カ所の状況を説明。ことし3月末現在で1131カ所を対策済みとし、497カ所を対策予定、262カ所を対策未定とした。対策率は59・8%。
 262カ所で対策が進まない理由として、住宅などによる見通しの悪さ、管理者・地権者との調整難航、狭い道幅によるガードレールなどの設置困難、予算の確保困難―などを挙げている。
 土木部では、対策が必要な1890カ所のうち道路管理者(県)として対策が必要な284カ所の対策状況を説明。ことし3月末までに110カ所で対策を実施し残り174カ所を対策予定とした。
 この174カ所は、前年度の国補正予算から新たに創設された「防災・安全交付金」などを活用し、「安心安全な生活道路整備事業」で、引き続き重点かつ緊急に整備する。内訳は路面標示56カ所、歩道整備33カ所、道路改良12カ所―など。
 また用地買収に伴う歩道整備などについては、人家が連担するなどの場合、用地取得に期間を要することから、早期の通学路の安全確保が困難といった課題にも触れた。
 警察本部では、信号機や横断歩道など交通安全施設の整備で対応が必要な392カ所のうち、前年度までに262カ所で整備を終えた。本年度は78カ所で整備を予定。信号機20カ所のほか、横断歩道28カ所、交通規制25カ所、道路標識2カ所、道路標示1カ所、法定外の道路標示2カ所の設置を予定している。
 調査期間はことし12月までのおおむね9カ月。今後は会期中の6月14日に基本方向をまとめた後、同24日に現地調査、7〜9月に今後の対応を行い、10月に対策の視点、論点を整理して提言の骨子検討、11月に報告書案の検討。そして12月の会期中に調査結果の報告を行う。