建通新聞社
2013/05/29
【大阪】御堂筋線2駅にホーム柵 大阪市交通局
大阪市交通局は、地下鉄のバリアフリーの取り組みで、可動式ホーム柵を新たに御堂筋線の2駅(天王寺、心斎橋)に設置するほか、駅経路の改善を重点的に進める。
可動式ホーム柵については、2駅分の製作・据え付け工事を一括し、制限付一般競争入札として10月にも公告する。約1年かけて製作し、2015年1〜2月ごろに据え付けに着手する。
御堂筋線へのホーム柵設置は、全駅では相当な時間と費用がかかるほか、輸送力の確保に課題があるため、プラットホームからの転落事故が多い上位2駅を対象に、先行的にホーム柵の設置に取り組む。
今回は、自動列車運転装置を取り付けるための車両改造は行わないため、手動による停車位置の微妙なずれにホーム柵の扉を対応させる必要があり、今里筋線など既設のホーム柵(幅約2b)より幅広い約2・6bの仕様基準を設定する方向だ。
市営地下鉄の可動式ホーム柵は、06年開業の今里筋線に導入されて以降、既設路線では、長堀鶴見緑地線が07年度から設置工事に着手し、11年10月に全17駅で設置を完了。
引き続き、千日前線の全駅に設置するため、製作・据え付け工事を京三製作所(大阪市北区)に発注(落札額7億5600万円)。13年度中にホーム柵を製作し、14年5月ごろから順次、据え付けを開始。14年度末までに全駅に設置する予定となっている。
他の路線については今のところ設置の予定はない。
経路の改善は、エレベーターによりホームから地上をつなぐこれまでのワンルート確保では、不便さもあるため、さらにワンルート確保(2ルート目)しようという取り組み。
13年度は長居駅(御堂筋線)と大阪港駅(中央線)の2駅の設計を予定。工事発注は14年度以降。
担当者は「毎年2駅程度のペースで7〜8年にわたり整備していきたい」としている。
市営地下鉄のバリアフリーの取り組みではこのほか、地下鉄駅の主要経路上で利便性の高い階段にエスカレーターの増設を進める。