建通新聞社(神奈川)
2013/05/24
【神奈川】崖の防災・減災対策を総合的に推進 全国で初めて制度設計開始
横浜市建築局は、民有地にある危険な崖の改善や減災に向け、総合的な対策の制度設計を開始する。市民からの相談に対する効果的なアドバイスの仕組みや崖崩れ予防保護工法の検討、施工業者のあっせん、市民が実施する工事への補助の拡大策などを検討し、2013年度末までに有効な崖総合対策を構成。14年度から施策を順次展開する。民有地の崖対策は、全国の自治体で初めての取り組み。
これに向け、調査業務の委託先選定プロポーザルを行い、受託候補者に応用地質(横浜市港北区)を特定した。
委託業務の中で、▽相談に対する効果的なアドバイスや専門の弁護士あっせんなどの仕組み▽危険度判定の方策▽崖崩れの軽減・防止効果のある改善対策や工法▽区役所などとの連携による崖地パトロール体制▽崖崩れ発生時の周辺住民に対する二次被害防止の応急対策―などを検討する。
崖の防災対策としては、従来進めている防災助成金による改善や応急資材事業がある。今回、法枠や排水溝の整備、植栽など、比較的簡易で減災効果のある工法を見いだし、市民にあっせんするとともに工事費用を補助する。
また、崖地に関する相談に対し、専門の弁護士を紹介するなど、民事相談への対応の仕組みを整える。
崖地のパトロールでは、各区の土木事務所や地元建設業者との連携も必要だ。
市内には土砂法警戒区域が3000〜4000カ所、急傾斜地法の指定が300カ所、大規模盛土造成地が3558カ所あり、3b以上の崖は7000カ所以上ある。